大逆転のJ1昇格プレーオフ進出まで、あと数分だった。 しかし、彼らの手の届かないところで、夢の扉は閉じられてしまった。 松本山雅が愛媛FCを1-0で下そうとしていたまさにそのときだった、遠く離れた鳥取の地でジェフ千葉が同点に追いついたのは――。 結果を知らない人たちもたくさんいたのだろう、試合終了後、緑のサポーターがかたずを呑んで、場内アナウンスに耳を傾けていた。 「鳥取対千葉は2-2のドロー、長崎対徳島は1-0で徳島の勝利。札幌対北九州は0-0のドロー。以上の結果をもちまして、松本山雅の最終順位は……7位になりました」 直後に漏れた「あぁー」という深い落胆の声。だが、スタジアムはすぐに拍手に包まれた。それは、松本山雅が決して敗者ではないことを示すものだった。 “山雅劇場”を見たいと思っていた。が、なかなか機会を作れずにいるうちに、'13年のJ2も最終節を迎えてしまった。 松本山雅の順位は
![プレーオフ届かずも、包まれた拍手。松本山雅が熱烈に愛される理由。(飯尾篤史)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/509da90a6ca9bb3a0a3997a887045ea288cdbd23/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fd%2F6%2F-%2Fimg_d67bee10d3b010a7c06ac35206a9627d324228.jpg)