3月下旬のインターナショナルマッチウイークを利用して、ブルガリアを訪れた。行き先は首都ソフィアから東へ230キロほど離れたスタラ・ザゴラという町だった。バスに揺られだいたい2時間半ほどで着く。およそ16万人が住む街だが、中心部から北の外れにあるスタジアムまで徒歩15分ほどというコンパクトさ。さらに北には森林公園が広がっている。 そんな地方都市に、1人の侍がいた。ブルガリア1部リーグ、PFCベロエ・スタラ・ザゴラのMF加藤恒平(27)だ。昨年9月29日、日本代表のメンバー発表記者会見で、ハリルホジッチ監督が「ブルガリアの加藤も見てきた」と代表候補として名前が挙がり「ハリルの秘密兵器」と話題になった選手だ。今年3月、AFC(アジアサッカー連盟)が発表した日本代表予備メンバーのリストにも加藤は載っている。私はブルガリアで、彼の話をじっくり聞いてみることにした。 ――昨年9月、ハリルホジッチ監督が