iOS 7でMPTCP(Multipath TCP)がサポートされた。 ((Apple iOS 7 surprises as first with new multipath TCP connections)) 唐突 ((しかし実はIETF87で、anonymous OSが実装しているという話もあり、iOS 7がそれだったのかと納得した訳だが))なのだが僕の博士課程における研究テーマであり、先のIETFで大人たちにメッタメタにされたのも悔しいのでMPTCPについて説明して、何が出来るようになるかを書きたいと思う。 MPTCPとは簡単にいうとTCPストリームを複数の経路で転送することにより、ストリームの多重化・耐障害性の向上を図るプロトコルである。 このタイミングでなぜこうしたプロトコルが必要か簡単に説明したい。 僕らが使うアプリケーションは大抵TCPを用いて通信をしている。それは長いインタ
Multipath TCPとは、複数の経路を扱うためのTCP拡張である。実は、以前、本の虫: MultiPath TCPのLinuxカーネル実装という記事で、その実装デモを紹介している。 従来のTCPは、IPとの分離ができない。TCPヘッダーの中には、ひとつのIPアドレスとポートがある。経路ごとにIPアドレスが割り振られるので、経路を変えるには、別のTCPコネクションを貼り直さなければならない。 しかし、複数の通信経路を持つという環境は、もはや珍しいものでも何でもなくなっている。たとえば、多くのラップトップにはEthernetとWiFiの二つの経路があるし、スマートフォンにも、WiFiと3G/4Gという複数の経路がある。特にスマートフォンの場合、経路が使えるかどうかが頻繁に切り替わる。 過去に、TCPで複数のIPアドレスを扱う拡張はいくつも出されたが、いずれも、IPアドレスを隠すという点で
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く