データの不備に直面し、その解決に取り組む現場は多い。マスターデータの統合に詳しいインフォテリアの油野達也氏(執行役員 エンタープライズ事業部長 西日本事業所長)は「以前は一部の先行企業が顧客マスターの整備に取り組んでいたが、最近は汚れたデータが社内に蔓延して業務が回らないという理由で、データの不備を解消する企業が増えている」と指摘する。もはやすべての現場が無視できない問題の一つになっているのだ。 きれいなデータが突然汚れる 中には「うちのデータはきちんと管理しているので別に汚れていない」と思う人がいるかもしれない。しかし、そうしたデータが突如、汚れるケースも珍しくないようだ。 メインフレームの基幹系システムをオープン系にダウンサイジングしている最中に、突然別会社との合併が決まった協和発酵キリンはその1社だ。「プロジェクトをいったん中断し、2社のマスターデータを統合する作業に取り掛かった。き
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