【第7回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」 麻美と大将の夫婦生活は決して華やかではないが、当人達も側から見ても仲睦まじく幸せなものだった。ただひとつを除いては。 市役所に同期入社した二人は、入社間もなく意気投合し、3年の交際期間を経て結婚した。結婚後2年が過ぎたころから、二人の結婚を祝福してくれた先輩などから「子どもは早い方が良い」というアドバイスめいた言葉をかけられるようになった。 麻美への言葉は主に、既に子どもを自立させたおばちゃんの先輩職員からのものであって、「子育ては想像以上に気力も体力も消耗するもの」だという理由からだった。 大将への言葉も同じく子供を自立させたおっさんの先輩職員からのものであったが、こちらは、定年が近づくと子育てにかかるお金を稼ぐのに焦りを感じだすというものであって、体力面については、子育ては妻に任せっきりで分からないとのこ