日本のIT業界を特徴づける「多重下請構造」について、日本の内と外、異なる視点から多角的に取り上げ考察する本対談。第2回では、日米で天と地ほども違うプログラマーを巡る境遇を紹介し、なぜそんな違いが生じるのかについて掘り下げていく。(司会・進行は石井 智明=日経コンピュータ編集委員) ――前回の最後で話が出ました、ソフトウエアの製作がアートなのか、それともサイエンスなのかという議論は、結構、根源的な問いかけです。そもそも、日本のITゼネコンはアートをやろうとしているのでしょうか。 中島 してないですよね。アートではない、ある意味ファミレスの食事のような、キッチンにいる人なら誰にでも作れるようなソフトを目指していると思います。 木村 コンピュータの黎明期からずっと、SIerが作っているシステムはバックヤードです。会計システムを軸にして、バックヤードのシステムは業種、業態を問わず、非常に似たような