吟遊詩人(ぎんゆうしじん)は、詩曲を作り、各地を訪れて歌った人々を指す。 英語では一般にジョングルールやミンストレルをこの意味で使用することが多い[1]。バード(bard)の訳語でもある[2]。 ホメーロス『オデュッセイア』の一場面、アオイドスの歌を聴き涙するオデュッセウス。フランチェスコ・アイエツ画(1813年 - 1815年) 吟遊詩人。ジョン・マーティン作 欧州社会では主に中世の10世紀頃から15世紀頃にかけて現れた人々を指すことが多いが、ホメロスなど古代ギリシア時代の詩人の多くも吟遊詩人(アオイドス)であった。また、ゲルマン叙事詩『ベーオウルフ』の成立に関与したと思われる、スコプと呼ばれたゲルマン系の吟遊詩人たちの存在も知られている。ケルト人社会では、祭司階級であるドルイドの中の専門職として、彼らの神話や歴史、法律などを詩歌の形で記憶し、伝承する役目に特化したバルド(バード)と呼ば