この連載では、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」の企画を担当した私の経験を基に、Wiiの初期のコンセプトワークや、それを伝えるためのプレゼンテーション、その先の開発プロジェクトなどについて紹介してきました。 そして2006年12月、私たちの思いが詰まったWiiがついに発売されました。岩田(聡・任天堂前社長)さんはWiiの開発を振り返り、「自分の存在理由をかけた戦い」と表現したことが、私の心に強く刻まれています。 連載最終回となる今回は、Wii発売後の任天堂の施策について振り返りながら、岩田さんがしようとしていたことについて、私なりの考えをお話したいと思います。 ユーザーは本当にほしい商品を知らない コンセプトとは、直接お客さんに伝えるものではないと私は考えています。例えば、Wiiの箱や説明書に「これはご家庭のお母さんに嫌われないように設計しました。どうぞお母さんもお楽しみください」「これはリ
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