ロボットによる腹腔鏡下腎部分切除術が保険適用された。前立腺全摘除術には保険適用されていたが、今回2例目の保険適用となった。2014年から評価療養(先進医療B)として実施されてきていたため、保険適用により患者負担が減る。この術式に対して実際に使用できるロボットは、米インテュイティブサージカルの「da Vinci(ダビンチ)サージカルシステム」のみ。日本医療研究開発機構(AMED)をはじめ、同様に使用できるロボットの開発も進んでいる。 拡大3D画像と自由度の高い鉗子使用 ダビンチサージカルシステムを使い、拡大視した3次元(3D)画像を医師が見ながら自由度の高い鉗子(かんし)で腎の切除と縫合をする。2次元画像の従来の腹腔鏡手術に比べて奥行きの感覚が得やすく、鉗子の自由度も高いために、腎の過剰な切除や縫合時間が長くなるのを防げる。これにより腎機能を最大限に温存できる。 有用な術式として普及 日本泌
オリンパスは、より簡便かつ安全に「Introducer変法」を行える、経皮内視鏡的胃ろう造設術の処置具「イディアルシースPEGキット」を国内で発売した。新開発の胃壁固定具と「一期的ダイレータ」を採用している。 オリンパスは2015年7月30日、より簡便かつ安全に「Introducer変法」を行える、経皮内視鏡的胃ろう造設術の処置具「イディアルシースPEGキット」を国内で発売した。ボタン、オブチュレータ、栄養用接続チューブ、減圧用接続チューブ、胃壁固定具、22G穿刺針/J型カニューラ、ダイレータ胴体部、シース、リリースロッド、体表固定具の10点がセットになっている。 経皮内視鏡的胃ろう造設術(PEG:percutaneous endoscopic gastrostomy)は、内視鏡で胃内を確認しながら体外と胃をつなぐ小さな穴(胃ろう)をつくり、その穴にカテーテルを入れる手技のこと。口から食事
発売する「EMARO」(手前)と会見の冒頭であいさつする、東京工業大学 理事・副学長(研究担当)の安藤真氏 東京工業大学と東京医科歯科大学による大学発ベンチャー、リバーフィールドは2015年7月31日、東京工業大学内で記者会見を開催し、内視鏡ホルダーロボット「EMARO(エマロ):Endoscope MAnipulator RObot」の販売を同年8月に開始すると発表した。医療関連製品メーカーであるホギメディカルを通じて販売する。 EMAROは、執刀医の頭部動作で直感的に内視鏡を操作できる内視鏡操作システム。頭部にジャイロセンサーを装着した執刀医が頭を上下・左右に傾けると、その動きを感知し、空気圧制御技術により内視鏡を動かす仕組み。スコピスト(内視鏡を保持する人)を介することなく、望む画像を手ぶれなしに得ることができ、より正確な施術に寄与する。 今回の製品は、超精密な空気圧制御技術を生かし
東京工業大学(東工大)と東京医科歯科大学(東京医科歯科大)、両大学発のベンチャー企業であるリバーフィールドの3者は7月31日、空気圧駆動型内視鏡ホルダーロボット「EMARO」を開発し、8月より販売を開始すると発表した。価格は1500万円(税別)で、3年間で100台の販売を目指す。なお、販売はホギメティカルを通じて行う。 「EMARO」は、東工大精密工学研究所の只野耕太郎 准教授と、東京医科歯科大生体材料工学研究所の川嶋健嗣 教授の研究成果を活かして開発された内視鏡手術支援ロボット。執刀医が頭部に装着したジャイロセンサーによって、執刀医の頭の動き検知し、頭の動きに合わせて内視鏡を空気圧で動かすことができる。空気圧駆動は、動きが柔らかく滑らかで、安全性が高いということに加え、直径約10mmの小さなシリンダーへの空気の出し入れだけで大きな出力を得ることができるため、装置の大幅な小型化・軽量化を図
オリンパスは、耳鼻咽喉科領域などでの内視鏡下手術に使われるデブリッターの新製品として、マルチデブリッター「DIEGO ELITE」を発売する。詰まり除去機能などにより、手術時間を短縮できるという。 オリンパスは2015年7月3日、耳鼻咽喉科領域などでの内視鏡下手術に使われるマルチデブリッター「DIEGO ELITE(ディエゴエリート)」を7月初旬から発売すると発表した。 デブリッターは、耳鼻咽喉科領域で生体組織の切除・吸引・切削に使われる医療機器。組織を分割するブレード、ハンドピース、本体(コンソール)、吸引機、送水吸引チューブなどで構成される。内視鏡下副鼻腔手術(ESS)などで日常的に使用されるが、薄い骨片を含む粘膜組織を分割しながら吸引するため、ブレードなどの機器に組織が詰まりやすいといった課題があった。 DIEGO ELITEは、詰まり除去機能として「Declog 空気圧バルブ」を搭
県立胆沢病院に導入された内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」。コックピット(左)から手術台のアーム(右)を遠隔操作する医師ら 奥州市水沢区字龍ケ馬場の県立胆沢病院(勝又宇一郎院長)に導入された内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」が16日、報道関係者に公開された。県南地区では初めての導入で、同病院では泌尿器科医師ら5人の専門チームが9月前半の手術開始に向けてトレーニングを積んでいる。ロボットによる前立腺がん手術は国内唯一の保険診療が認められており、勝又院長は「県南部の患者の方々には朗報。ダビンチによる高度医療を提供したい」と期待を込める。 ロボットは米国医療メーカーの製造で、日本国内では今月1日現在で202台、うち東北では14台が導入されている。県内では岩手医科大付属病院(盛岡市)に続いて2例目で、県立病院では初めて。 医師が電気メスや内視鏡など手術台に設置されたアーム4本を、コックピットから3
「3時間も4時間もかかるような手術を毎日やっていると、肩が痛い、腰が痛いということになる。そこで、外科医の身体的な負担を軽減できるようなデバイスを開発している」――。千葉大学フロンティア医工学センター准教授の川平 洋氏は2015年7月10日、医師、医療機器メーカー、ものづくり企業の交流イベント「C-square EXPO 2015」(会場:東葛テクノプラザ、主催:千葉県、国立がん研究センター東病院ほか)において、内視鏡外科医の身体的ストレス対策のために開発に取り組んでいる複数の機器を発表した。 1つは、手術中の執刀医の体重をひざで受け止める「サージカルニーレスト」である。手術中の医師は前かがみの姿勢を長時間続けるため、どうしても肩や腰に負担がかかる。サージカルニーレストでは、足を載せる部分を前傾させて体全体を傾けた上で、ひざあて部分で体重を受け止める。これで、執刀医は肩や腰を気にすることな
京都大病院は6日、国内で初めて製造された移動式の小型CT(コンピューター断層撮影装置)を導入すると発表した。撮影範囲は頭頸(とうけい)部に限られるが、患者を撮影室まで移動させなくても、手術室の中で体内の様子を容易に確認できるため、脳腫瘍などの手術の精度向上や、患者の負担軽減などが期待できるという。8日から使用を始める。 CTはエックス線を利用して体内を輪切り状に連続撮影する装置。海外では移動式も製造されていたが、重くて扱いづらく、画質が悪いなどの理由で国内では普及しなかった。 導入された装置は高さ約170センチ、幅約85センチ、約400キロ。キャスター付きで、一人で動かせる。伏見区の医療機器メーカー「モリタ製作所」が同病院などの要望を受けて開発した。 手術の途中に撮影し、モニターの映像を見ながら、取り除いた腫瘍や削った骨の部位などを確認できるため、手術の安全性が高まるという。費用は2億円。
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