もはや、世界が経済成長を続けるだけの石油エネルギーを供給する能力を地球は持ち合わせていない。当コラムはここまで、様々な角度から石油経済の限界が近づいていることを説いてきた。今回は、石油価格と経済成長の関係を検証する。 人類が地中から石油を手に入れたのはわずか150年前のことだ。この「豊富で安価」なエネルギーを使えるようになって、人類はかつてない繁栄を享受してきた。 だが、有限である石油資源を短期間で使い過ぎた。「豊富で安価」という石油の恩恵が陰りを見せ始めている。プラスチックや排ガスなど石油由来の廃棄物や汚染物質が地球環境を悪化させたという批判も拡大した。 石油の限界という大きな課題を乗り越えていく方策を模索するためにも、ここで改めて石油と経済の関係についてまとめておきたい。 グラフ1は世界の石油消費量と国民総生産(GDP)との関係である(2014年まで)。世界の成長は石油消費量に強く依存
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