先日,協力ゲーム理論のシャープレイ値に基づき機械学習モデルの予測を解釈するKernel SHAPという手法の理論と既存のライブラリの実装についてのブログを書いた. blog.tsurubee.tech 既存のSHAPライブラリであるslundberg/shap(以下,単にSHAPライブラリと呼ぶ)は,SHAPの提案論文*1のファーストオーサーにより開発されており,多くのSHAPのアルゴリズムの実装や可視化の機能が非常に充実している素晴らしいライブラリである. しかし,私が自身の研究の中でSHAPライブラリの中のKernel SHAPを使っている際に,計算速度と拡張のしやすさの観点で改善したいポイントがいくつか出てきた.今回は,まだ絶賛開発中であるが,Kernel SHAPの高速性と拡張性の向上を目指したShapPackというライブラリのプロトタイプが完成したので,それについて紹介する. 目