「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどを手がけ、東映黄金期の礎を築いた脚本家・笠原和夫。彼が1964年に執筆した幻のプロットを、監督・白石和彌、脚本・池上純哉、企画・プロデュースの紀伊宗之といった「孤狼の血」シリーズの制作チームが受け継ぎ、令和に新たな集団抗争劇が誕生する。 物語の舞台は1868年の「鳥羽・伏見の戦い」を皮切りに、15代将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍=官軍で争われた“戊辰戦争”。その戦いの最中、新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた奥羽越列藩同盟軍への裏切り=旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、“決死隊”として砦を守る任に就いた11人の罪人たちが描かれる。 当時、笠原は「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉の通り、勝ったほうがすべて正しく、勝敗によって善悪が決まるのが当たり前の時代に「勝つことだけが正義なのか?」と一石