先週を金融市場的に名付けるならば「中央銀行ウイーク」であった。順番は、米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行の順だったが、先進各国の中央銀行が相次いで金融政策の決定会合を行った。 決定内容は市場の予想通りだった。FRBは今回の会合での利上げを見送り、ECBは政策金利を0・25%引き上げ、日銀は全く動かなかった。 中央銀行は、それなりの権威として扱われる一方で、何をしても文句を言われるような損な役回りの組織だが、3行への世間の反応は微妙に違っていた。 記者会見でも多くの質問を受け、いくらか叩かれ気味に政策発表を終えたのはFRBだった。米国の地方銀行などのバランスシートが受けているストレスから考えて、今回の利上げ据え置きの決定は妥当だった。 だが、パウエル議長がインフレ抑制のために年内にもう2回の利上げの可能性を示唆したことが物議を醸した。金融市場関係者の間では利上げ