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ブックマーク / antimainstreameconomics.blogspot.com (124)

  • 現実世界の経済学 Political Economy of the Real World : 一年ぶりの更新 再開予定

    昨年最後のブログ更新から早一年が経過しました。 それまでも諸般の事情(仕事、体調)からこちらのブログにはタッチしていませんでしたが、今日からふたたびできる限り更新したいと思います。 とりあえず、今日は消費増税および2016年のGDP改訂に関するごく基的な数値を一つだけあげておくことにします。 最初は、この27年間の政府の税収(消費税、所得税、法人税)の推移を示す図ですが、一目瞭然、「サルにもわかる」ような事実が歴然と示されています。 一応説明すると、消費税は、12.5兆円増加しましたが、所得税と法人税はそれぞれ5兆円、6.7兆円減少し、その合計額は12.7兆円になります。 そうです。まさに税収は全体ではほぼ同じで、所得税と法人税の減税を消費税が補てんするという「構造」が明らかになっています。 27年間という長い時間がかかっているため、多くの人は気づかずにいるかもしれませんが、このように示

    現実世界の経済学 Political Economy of the Real World : 一年ぶりの更新 再開予定
    maturi
    maturi 2018/12/21
    GDPうちわけ ”2)さらに安倍政権が誕生してから突然7兆円以上も増えた項目があります。ところが、この項目は単に「その他」とされていて、理由が明示されていません。”
  • 現実世界の経済学 Globalization and Society: 安倍さん! 企業家は賃金をあげないといっていますよ!  2013年2月3日日曜日

    安倍首相が「リフレ論者」となって、インフレ率を2%にあげると言っています。ブログもこれに非難的な見地から言及してきました。 しかし、今日は百歩譲って、インフレ率が2%上昇し、それと同時に経済が好調になり、人々の所得が実質で(例えば)3%上昇するとしましょう(景気を良くするといっているのですから、まさか1、2%ではないでしょうね?)。簡単のために、労働力の総数や就業率は変化しないとします。 そうすると、もし労働者(どう控えめに見ても国民の80〜90%を占めるでしょう)が実質的に所得を3%拡大するためには、2%のインフレ率を含めると約5%の貨幣(名目)賃金を引き上げることが必要になります。 ところが、です。テレビを見ると企業家の中には賃金引き上げなどとんでもないといっている者がかなりいます。 安倍さん、どうしますか? 安倍さんの「やる気」を無視し、景気拡大の「期待」などをさらさら持つ気などな

    maturi
    maturi 2018/03/01
    インフレ率が2%上昇し、それと同時に経済が好調になり、人々の所得が実質で(例えば)3%上昇するとしましょう(景気を良くするといっているのですから、まさか1、2%ではないでしょうね?)。  そうすると、
  • 国立社会保障・人口問題研究所による生産年齢人口将来推計  リベラル派・左派大連合の必要性

    ところで、こうした人口減少問題がかつてイギリスの経済学会で大問題となったことがあった。世界が不穏な空気におおわれていた「危機の20年」とも呼ばれる両大戦間期のことである。 あのジョン・ケインズも議論に真剣に加わった。彼の結論は、現在の私たちにとっても大変示唆的である。 彼は、そのような時に、企業がこれまで通りに利潤を増やしづうけようとして労働者の賃金を圧縮すると悲劇が生じ、いっそう悲劇的な状況が強まると指摘した。なぜならば、賃金の圧縮は、人々の可処分所得を縮小し、いっそう消費支出を削減し、景気後退を招くからである。 そうしないためには、人々の、一人一人の賃金所得を引きあげ、格差を解消し平等化を達成するとともに、一人あたりの(あるいは世帯あたりの)家計支出を増やさなければならない。それは所得・資産を平等化し、多くの人にとって住みやすい社会をつくるだろう。人口の回復という望みも生まれる。 しか

    国立社会保障・人口問題研究所による生産年齢人口将来推計  リベラル派・左派大連合の必要性
    maturi
    maturi 2017/10/23
    人口減少問題がかつてイギリスの経済学会で大問題となったことがあった。世界が不穏な空気におおわれていた「危機の20年」とも呼ばれる両大戦間期のことである。  あのジョン・ケインズも議論に真剣に加わった
  • 選挙を前にしてGDPの「かさ上げ」 2014年の「実質賃金」操作と同類

    1)過去にさかのぼって全体的にかさ上げがなされている。たしかに過去にも改訂はあったが、それは基的には基準年が違うと物価構造が異なるが、ある程度の年数を経過すると、その基準年を変更するために生じることであり、大きく物価構造がかわることのない現在では、これほど大きな数値の差はでてこない。どうも「かさ上げの」根拠はないようであるが、きちんとした統計数値の存在しない「何か」を推計する計算方法を変えたらしい。 2)現在に近づくほと、上げ幅がおおきくなる。1990年代には数兆円規模だったのが、次第に拡大、2015年にいたっては35兆円ほどになる。これも作為の結果でしかありえない。 3)それでも、よく見てみよう。かさ上げされた統計でも、2015年のGDP(名目)は、1997年のGDPに達していない。これはまさに長期にわたる日経済の衰退を示している。かさ上げ以前の数値では、もちろん、20兆円も低下した

    選挙を前にしてGDPの「かさ上げ」 2014年の「実質賃金」操作と同類
  • 法人企業統計から見る 「アベノミクス」と賃金圧縮の持続 破綻に向かう日本社会

    現在の問題をはっきりさせるために、日の法人企業(会社)が従業員に対してどのような態度をとっているかを見ておこう。ここでは財務省の法人企業統計を利用する。 この統計から明らかになることを、あらかじめ結論的に言うと、20世紀末に始まった「賃金圧縮」は依然として続いており、従業員の賃金所得が抑制されていることが注目される。また、そのため労働者世帯の家計消費支出は抑制される傾向が続いている。 まず下図から、中長期的な趨勢をみると、法人企業の給与総額は、2003年~2006年の上昇を除いて、20世紀末から現在に至るまで低下トレンドを示している。2006年に150兆円ほどに達していた給与総額(統計の不備のため賞与を除く)は150兆円に達した後、2013年に125兆円にまで低下した。ただし、2013年以降は若干回復しているが、これについては後に詳しく検討する。 賃金が圧縮されていることは、従業員一人あ

    法人企業統計から見る 「アベノミクス」と賃金圧縮の持続 破綻に向かう日本社会
    maturi
    maturi 2017/10/10
    誤謬 ”しかも、現在の「生産年齢人口」が減少しつつあるだけではなく、賃金圧縮が少子化をいっそうすすめることによって将来の「生産年齢人口」をも急速に減少させるように作用しているのである。”
  • 日銀の異次元の量的緩和と外国の研究者の問い 量的緩和という「重荷」

    外国人も日の長期不況が不思議でならないようだ。例えば米国のTyler Durden氏などもその一人である。 特に量的緩和(QE)については、2008年の金融危機の中で行われたQE3、QE4以降はまったく効果がない。それどころか、逆効果となっているように見えるから、なおさらそうだ。 しかし、「逆効果」の理由は理解できないわけではない。 何故ならば、量的緩和は「デフレ心理」の払拭をスローガンとしているが、それは毎年2%物価上昇の期待(予想)を前提とする。そこで人々は2%の物価上昇と、2%を大幅に超える所得の増加を期待しなければならないことになる。(そうでなければ、実質所得が低下ことにになる。)もし実質成長率が(例えば)2%に設定されるならば、また安倍首相が「嘘をつかない」と言いつつ1%をかなり超える成長を訳したわけだから、この公約を考えれば、名目で毎年3%~4%の成長を期待してもよいことにな

    日銀の異次元の量的緩和と外国の研究者の問い 量的緩和という「重荷」
    maturi
    maturi 2017/10/10
    ” 答えは簡単です。日本国民の多くが、これからは☆給料も上がるし、★物価も上がるのでいまのうちにもっとおカネを使おう、という気分になれる政策を打つだけでいいのです” がんばれクルーグマン
  • 2010年以降の自殺者の減少は本当か?

    【厚生労働省人口動態統計より】 少し物騒な話しだが、人口動態統計から自殺に関する統計について疑問点を示すこととする。どこの国でも、自殺者の増減は経済状況と密接に関連していることが指摘されてきた。 実際、日では、自殺者は、低賃金・非正規雇用の急速に増加しはじめた1997年頃に急増した。しかし、2009年頃からはすこしづつ減少してきた。もちろん減少するのはよいことである。だが、現実が当にそうなのか疑わせる証言やデータがある。証言とは、自殺とは遺書を残したケースに限られるというものである。 厚生労働省のデータでは、自殺率の低下と対照的に「変死」(下図参照)に結びつくと思われる死因がずっと上昇してきている。しかも、「不慮の事故(交通事故を除く)」はリーマンショック直後の2010年に増加し、翌年に2万人(3.11被災者数にほぼ等しい)ほど増えたのち、2012年に低下しているが、その後は2011年

    2010年以降の自殺者の減少は本当か?
    maturi
    maturi 2017/08/18
    厚生労働省のデータでは、自殺率の低下と対照的に「変死」(下図参照)に結びつくと思われる死因がずっと上昇し「不慮の事故」等が徐々に増加してきた。  警察は、2010年頃に自殺者を減らす運動をはじめている。しか
  • 国家戦略特区とは? そもそも総理大臣の「トップダウン」で進める歪んだ制度+ネポティズム

    国家戦略特区とは何か? それは前のブログでも書いたように(また2013年6月14日の日経済生産部の会議資料、『日再興戦略(案)』に記されているように)、そもそも総理大臣(首相)の主導により、また総理大臣のトップダウン方式により、「異次元のスピード」で、国・自治体・民間の三者が一体となって、進める制度だった。最初からそのように設計されていたのである。 三橋氏も言うように、最初から歪んだ制度設計にもとづいていたというしかない。 それでも、それは公式にオーソライズされていたのだから、安倍首相は、やましいところがなければ、「私の主導により特区会議で決定し、スピード感をもって、かつ三者が対峙するのでなく、一体となって進めました」といえばよい。 ところが、いったん2015年6月に知ったといいながら、国会の閉会中審査では、それを否定し、今年1月20日まで知らなかったと訂正した。「急な質問で」とか、

    maturi
    maturi 2017/08/02
    た総理大臣のトップダウン方式により、「異次元のスピード」で、国・自治体・民間の三者が一体となって、進める制度だった。最初からそのように設計されていたのである。
  • アベノミクスの終焉 日銀金融緩和の「出口」について 1 

    黒田日銀による「異次元の金融緩和」の結果、日銀の総資産が異常に増加し、そのGDPに対する割合がほぼ100パーセントに達している。東京新聞(昨日)の数値では、93.6%とされている。 これは、日銀が市中銀行にマネー(ベースマネー)を供給するために、国債を購入したことが最大の要因だが、その他に日銀はETFなどの株式の購入を行っている。日銀ではないが、GPIF(公的年金基金)も株式による資産運用を行っており、日銀資金とGPIFによる「官制相場」が形成されてきたことは、ブログでも紹介してきたところだ。 金利もぎりぎりのところまで引き下げられている。 安倍首相や黒田日銀総裁の最初の約束では、こうした「異次元の金融緩和」は「インフレターゲット」と呼ばれる政策目標によるものであり、この政策目標を2015年4月までに実現すれば、政策の役割は終わるとしていた。 「インフレターゲット」とは物価が毎年2パーセ

    アベノミクスの終焉 日銀金融緩和の「出口」について 1 
    maturi
    maturi 2017/08/02
    このようなことは絵空事であり、実際には生じなかった。()ット」論の主張とは真逆に、物価上昇は庶民の財布のひもを堅くし、消費は減少し、物価上昇率もマイナスになった。すでに、この時点で「インフレターゲット
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 15 世論調査と選挙の社会学

    すこし古くなってしまったが、民主党がなぜ選挙で敗れ、自民党が勝ってきたのか、なぜ日リベラル左派は政治的に大きな力を発揮できないのか、これについて宮崎駿氏がイギリスのタイムズ紙のインタビューに応じ、答えている(2015年7月14日)。 イギリスのTIMES誌です。安倍首相に関しては、よく分からない部分があります。たとえば原発問題などの世論調査を見ると彼の人気は低いが、選挙では自民党が勝ってきました。宮崎監督もどちらかというとリベラルに属していると思いますが、なぜ日の左派の人々は政治的に大きな力を発揮できないんでしょうか?宮崎駿さん:「民主党の最初の総理は、沖縄の基地の問題についても日全体で背負うべきであって、『沖縄だけに負担させるのは間違いである』と、はっきり言った方です。でも、たちまち党内の勢力争いの中で、引きずり降ろされてしまいました。その後、地震と原発が立て続けに(日を)災厄

    maturi
    maturi 2017/07/20
    消費税増税は自民が民主に仕掛けた罠だよ(それに成功したよ)論 id:bn2islander氏が
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 16 安倍を支えたリフレ派ブレインたちの言い訳

    現在、アベノミクスをかつて支持していた「ブレイン」たちの言い訳があちこちでなされている。 その一人、浜田宏一氏や岩田規久男の言い訳を紹介し、批判したサイトを一つだけ紹介しよう。 Money Voice http://www.mag2.com/p/money/27546 そもそも「物価は貨幣現象」というのが、浜田氏や岩田氏、黒田氏などの「リフレ派」の主張だった。 もちろん、物価が貨幣に密接に関連した現象であることは、誰も否定していない。問題は、「貨幣現象」という表現を超えたことを、彼らが主張していることである。彼らの主張は、むしろ「貨幣数量説」と呼ぶ方が正確である。 では、貨幣数量説とは何か? それは物価水準が貨幣ストック(市場に供給されている貨幣量の総額)によって決定されるというアイデア、教義である。それは次のきわめてシンプルな数式によって示される。 PQ=MV この式で、Mは貨幣量、Vは

    maturi
    maturi 2017/07/20
    "誠実であるならば、「私が間違っていました」と言うべきだろう。白川総裁に対して、期限を明示していないと非難していたが、その黒田氏の明示した期限はとうに過ぎている。すると、彼はその期限をさらに先に延ば
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 11 政府統計に見る/即刻退陣に値する「功績」

    この辺りで、安倍政権の経済政策のパフォーマンス(実績)を統計的に少し詳しく検討してみよう。 実質GDPについては、すでに紹介してあるので、その他のデータを以下に載せることにする。 まずは日全体の「消費」総額から。下の2図は、上が名目値、下が実質値であるが、2014年の第一四半期(Ⅰ期)に消費が急増しているのは、消費増税前の駆け込み消費支出による。もちろん、消費増税が実施されると、消費額は急落し、その後、2015年にかけて緩慢に増加してゆくが、その後、ほと停滞している。しかも、上図は、消費者物価指数(CPI)により調整していない名目値である。しかし、周知のように2014年には、消費者物価の相当な上昇があった。そこで、消費は実質的には上の図が示すよりはかなり低くなる。下がその実質値である。見られるように、アベ政権誕生前には、そこそこに拡大していた消費が駆け込み需要の急落後は、まったく停滞して

    安倍氏の経済政策の経済的帰結 11 政府統計に見る/即刻退陣に値する「功績」
    maturi
    maturi 2017/07/17
    輸入インフレは、外国製品の物価高に他ならず、外国人所得増加に寄与するもので、国内の人の所得を引きあげるものではない。このような物価上昇は、日本の居住者の可処分所得を相応に引き下げる効果を持ち、したがっ
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 10 「総理の御意向」による賃上げ

    経済の「長期停滞」(「デフレ不況」とも言われた)と賃金の低下との関係に関する予備的な説明は以上にとどめておこう。 さて、第二次安倍政権が誕生してから、賃金(雇用者報酬)が実際に上がったではないかという反論があるかもしれない。 たしかにその通り。実際には正確に言うと、名目賃金(貨幣賃金)はたしかに上がったが、実質賃金は低下したというのが事実である。 ここではその背景と経過を簡単に見ておこう。 1,「アベノミクス」は、金融緩和による貨幣ストックの増加を通して、2パーセントのインフレ(物価水準の上昇)と経済成長を実現するとして公言していた。ということは、最低限2パーセントの貨幣賃金の上昇が実現しなければ、実質賃金が低下したということになる。 いくら「云々」を「でんでん」と読むような知性の持ち主でしかなくても、物価上昇率より低い賃上げでは、実質的に賃金水準が低下することになることは理解したはずであ

    maturi
    maturi 2017/07/17
    ”そこで、官邸(総理)は、財界に対してバーターとして法人税の減税を提案した。「税金まけちゃうから、世界一企業が自由にできるような国するから、少し従業員の給料上げてよ。」こんなところである。”
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 9 雇用者報酬は何故さがったのか? なぜアベノミクスは雇用者報酬を上げることが出来ないのか?

    安倍氏の経済政策の経済的帰結 9 雇用者報酬は何故さがったのか? なぜアベノミクスは雇用者報酬を上げることが出来ないのか? 1998年から雇用者報酬(以後賃金と言う)が下がったのはなぜか、またこの賃金低下は名目GDPの低下とどのように関係しているのか? これはアベノミクスが果たして有効な政策でありうるかという問題と密接に関係している。またそれは、アベノミクスがなぜ雇用者報酬を上げることができなかったかという問題とも関係している。そこで、多少まわり道でも、この問題を取りあげなければならないだろう。 まず第一の問題は、なぜ賃金が1998年から低下しはじめたか、であるが、もちろん、現実には多様な要因が作用しており、必ずしも単純ではない。 しかし、一つの大きい事情・要因が作用していたことは疑いない。その事情・要因は、日政府の経済政策と密接に関連しているが、とはいえ、責任すべてが政府の政策に帰され

    maturi
    maturi 2017/07/17
    1995年日経連は、『新時代の日本的経営』を公表。それは、雇用の領域における自由市場の優位を詠うもので|新古典派経済学では、高賃金は失業を招くため(イコール失業があるということは、賃金が高すぎることを意味
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 8 たしかに「アホノミクス」です

    浜矩子さんが述べるように「アベノミクス」は、たしかに「アホノミクス」または「どアホノミクス」と呼べるだろう。 私は、来性格的に人を激しく非難したくない質だが、安倍氏については、事情が異なる。彼は一国の総理大臣であり、その政策如何によっては日人をとんでもない場所につれてゆく危険性が大いにある。 ここでは最初に、二人の著名な経済学者・研究者(山家悠紀夫氏と伊東光晴氏)のアベノミクス分析から始めたい。 山家悠紀夫さん(『アベノミクスと暮らしのゆくえ』岩波ブックレット、2014年)は、すでに「アベノミクス」が始まった時点で、その特徴を三つあげているが、私もまったくその通りと考える。 1)「非科学的」な政策 2)多くの経済思想が混在した政策 3)現状認識を見誤った政策 また伊東光晴氏は、次のように述べている(重倉篤郎『日の死に到る病 アベノミクスの罪と罰』河出書房新社、2016年)。 「祖父(

    安倍氏の経済政策の経済的帰結 8 たしかに「アホノミクス」です
    maturi
    maturi 2017/07/17
    ”安倍氏は長期停滞(あるいは周辺が多用する表現「デフレ不況」)が1990年代のバブル崩壊とともに始まっていると述べているが、それは1998年頃から始まるというのが正しい。(グラフ参照)”そうかね?
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 6 「ケインズ政策」?

    安倍氏の経済政策の中に、明確に「新自由主義」政策的な要素が混入していることを確認してきた。 ところで、経済社会は複雑系であり、様々な要因が複雑にからみあっていて、相互に影響しあっているため、またそれに応じて因果関係も、原因(A)→結果(B)という単純なものでないため、私の説明も先に進んだり、後ろに戻ったりしなければならないが、ここではさしあたり、前に進むことにしよう。 アベノミクスには、様々な要素が雑然と混ぜ合わさっているため、「小泉構造改革」の論理のような単純さに欠けている。そこで、新自由主義政策の側面を持つとともに、またそれと対立するように見える側面も指摘しなければならない。 それというのは、いわゆる「ケインズ政策」のことである。そもそもケインズ自身がどのように捉えていたかは別として、不況・景気後退・停滞に際して財政支出を拡大すること、したがって単年度の財政赤字の拡大を許容し、また累積

    maturi
    maturi 2017/07/17
    本当のリフレを分かっていない”多数派がそのような期待をいだくと期待するのは、カルト信仰に他ならないではないか。あるいはJガルブレイスの言い方を借りると、「バーナンケンシュタイン」に他ならない
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 7 「ケインズ政策」の効果?

    安倍氏は俗にいう「ケインズ政策」を実施したのか、もしそうだとしたら、その結果どうなたのか? これが前回のブログで、私の提起しておいた問題である。 しかし、結果については、一部は既に示してある。実質GDPについて言えば、それは安倍政権成立前のパフォーマンスを大幅にしたまわっている。要するに低成長である。 この質的な原因・要因が何かは、あとで詳しく検討しなければならないが、とりあえず言えることは、アベ財政政策がなにかしらの成長率の上昇をもたらしたということはない、ということだろう。 だが、論より証拠、実際の統計を見ておこう。下図は、財務省のホームページから得たものである。 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm この図からすぐにわかることは、アベ政権がいわゆる「ケインズ政策」を実施した形跡はうかがえない。何故か? 第

    安倍氏の経済政策の経済的帰結 7 「ケインズ政策」の効果?
    maturi
    maturi 2017/07/17
    グラフ「(一般会計の歳出額は前述)特別会計を含めてみると、政権成立後も社会保障関係支出は少し増加しており、国債費も増加しているが、特段に「ケインズ政策」と呼ぶほどのものではない。」
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 5 

    これまで「アベノミクス」を「新自由主義」政策の枠組みの中で把握できると説明してきたが、正直に言うと、安倍氏がそのような政策の哲学を理解しているかどうかも、かなり怪しい。むしろ安倍氏の頭の中にあるのは、激しい「思い込み」にすぎないようである。これについては、伊東光晴氏が倉重篤郎著『日の死に至る病 アベノミクスの罪と罰』(河出書房新社、2016年)の中で述べていることが事実であろう。ちなみに、少し引用すると、 「祖父(岸信介元首相)を神様のように思っている。思い込みが激しい。改憲をやりたがっている・・・・・」 「思い込みの激しさが、希望的な観測を現実だと思わせている節がある。その好例が五輪招致の際の福島原発汚染水『アンダーコントロール』(完全制御)発言だ。ただこれは幻想です。経済政策でも同様だ。現実の経済は成長していないし、人々の家計も潤っていない。」 幻想か現実か、論より証拠、とにかく現実

    安倍氏の経済政策の経済的帰結 5 
    maturi
    maturi 2017/07/10
    「税収21兆円増」を実現したことを誇っている。だが勿論そのうち8兆円は民主党時代に野田政権により決定されていた消費増税を実施しただけであり安倍氏は国民からの非難を浴びずに増税実現することができたにすぎない
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 3

    さて、新自由主義政策と安倍氏の経済政策との関係であるが、それらが同じであると断定できるかどうかは別として、両者がきわめて親和的な関係にあることは否定できないとういのが結論である。なぜか? ここでふたたび新自由主義」の発想(idea)に戻らなければならないが、それが市場原理主義とともに広義における「供給側の経済学」(サプライサイドの経済学)に立脚している点を指摘しなければならないだろう。 そもそも新古典派の経済学自体が「供給側の経済学」としての性質を濃厚に帯びているのだが、この発想は、供給側、あるいは端的に言って企業側の置かれている環境・条件を改善すれば、経済は好調になり、高成長を実現できると教える。なぜ、そう言えるのか? かつてレーガン大統領は、次のように考え説明した。 もし企業(および富裕者と付け加える)の置かれている環境を改善するならば、例えばその生産に要する費用、特に人件費=賃金を抑

    maturi
    maturi 2017/06/30
    企業が専ら賃金圧縮を行い、法人税所得税の減税による純可処分所得の増加をはかるならば、それは当面企業所得および富裕者の純所得を増やすであろうが、社会全体の需要を冷やす効果を持つことが予測される
  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 2

    アベノミクスと新自由主義はどのように関係しているだろうか。 その前に、そもそも新自由主義(ネオリベラル)政策とは、何か? 普通、「ネオ」(新)を関した語は、かつて存在した事象が様相を若干異にしつつふたたび登場する場合に用いられる用語であり、例えば「ネオ・ナチ」、「新古典派」などの言葉に見られる。 したがって新自由主義がかつて存在した自由主義と共通性を有することは言うまでもない。それは一言でいえば、市場原理主義または市場優先主義に他ならない。つまり、それは、人々の経済活動は、自由市場(free market)に委ねておけば、効率性、安定性、均衡などが達成するという思考原理、およびそれにもとづく一連の政策と言い換えることができる。 こうした思考法の原形が18世紀および19世紀の経済学の中に存在したことは否定できない。とりわけ、アダム・スミスやD・リカードゥ、J・S・ミルのような一級の経済学者は

    maturi
    maturi 2017/06/30
    ケインズは理論の非現実性=虚構性を厳しく追及してきた。だから新古典派の経済学者にとってケインズは憎むべき敵であり、それゆえにケインズ殺しを行ってきた。「ケインズは死んだ」という警句は何度も繰り返されて