「“安倍総理暗殺と統一教会”で露わになった“日本人の宗教理解の特性”」について、イスラーム法学者中田考氏がBEST TIMESに寄稿した論考【前編】【後編】が話題だ。一方で、ロシアのウクライナ侵攻は「知(学問)の現場」における由々しき問題を露呈させている、と語る。 それはいったいどういうことなのか? 宗教地政学の視点からロシアのウクライナ侵攻について書き下ろした書『中田考の宗教地政学から読み解く世界情勢』の発売(10/7)が待たれるなか、今回最新論考全4回を集中連載で配信する。第4回最終回を公開。 【19.アメリカの人種主義的民主主義】 最後に、トッドがウクライナ戦争を分析する概念装置を概観して以下におきましょう。 ロシアがほぼ無制限の父親の強い権威と兄弟間の平等を併せ持つ農村の外婚制共同体家族構造に由来する「権威」と「平等」に基づく精神システムを持つのに対して、アメリカは核家族に由来する