太平洋戦争の戦地から復員し、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えていたとみられる元兵士の家族たちが苦しみを語り始めている。先月下旬には大阪市で証言集会が開かれた=写真。 兵士のPTSDは米国などで研究が先行するが、日本では「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」(東京)が2018年に設立され、注目され始めた。 同会が主催する証言集会は昨年8月に東京で初めて開かれ、今回が2回目。約130人が参加し、関西在住の60~70代の女性3人が復員兵の父との暮らしを語った。 鳥取県出身の女性(64)の父は酒を飲んで暴れ、働くこともできなくなった。子どもを正座させて戦場での武勇伝を語る一方、雨が降ると震えだし、「〇〇が殺しにくる」と叫んで暴れた。女性が小学生のとき、父は46歳で自死。近所の人から「戦争に行くまでは優しい人だった」と教えられたという。 女性は成人してから米兵のPTSDを知り、父