安倍総理は、消費税増税を延期するためのお墨つきを得るため、国際金融経済分析会合にポール・クルーグマン教授を呼びました。ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授は、一般向けにわかりやすい本を書く才能もあり、私も20年以上前の学生時代からクルーグマン教授の著書を愛読してきました。 クルーグマン教授は、消費税増税に否定的な意見も言いましたが、その他にもいろんな意見を発表しています。安倍総理は、クルーグマン教授の他の意見のほうにも耳を傾けてほしいと思います。 クルーグマン教授は「格差是正と経済成長の間でトレードオフはない」と言います。これは経済学の常識が変わりつつあることを意味します。 これまでリベラル派は「経済成長率の低下という犠牲を払っても、低所得者への支援が必要である」と主張してきました。他方、保守派は「富裕層の税率を引き下げ、低所得者への支援を削減し、経済を成長させて全体のパイを拡大すれ