■はじめに先日(9月12日)、福岡地裁でたいへん興味深い判決が言い渡されました。 いわゆる振り込め詐欺の被害が深刻になっていますが、警察は被害者がだまされたふりをして、犯人をおびき寄せる「だまされたふり作戦」を発動し、犯人逮捕につなげています。この事件でも「だまされたふり作戦」が発動されたのですが、裁判所は、被害金を受け取る役目を依頼された「受け子」を無罪としたのでした。無罪という判決は、警察の今後の捜査手法に影響を与えることが予想されますので、本件がどのような事案であり、またどのような論理から裁判所は無罪にしたのかを検証したいと思います。 「だまされたふり作戦」受け取り役に無罪判決 福岡地裁(朝日新聞)詐欺「だまされたふり作戦」、受け子に無罪判決 福岡地裁(日経新聞)<特殊詐欺>「だまされたふり作戦」受け子無罪 福岡地裁(毎日新聞)まず、時系列にしたがって事実関係を整理します。 【事実の