「コンパ長は誰よりもつらいと言っても過言ではないかもしれない。上からの理不尽を受けることもあるかもしれないし、その苦労は精神的・肉体的・金銭的にもかなりのものになると思う。しかし、そこで気持ちは折れないでいてほしい」 こう書かれた前書きで始まる27ページに及ぶテニスサークルの「コンパ長ノート」が、高原滉さん(当時21)の両親、俊彦さん(53)、多嘉子さん(53)の手元にある。前任者からの申し送りで、1年間にひらかれる各コンパの仕事を中心に細かく書かれている。これとは別の「コンパ員 引き継ぎ資料」はもっと詳細だ。お酒の種類や量、危険な飲み方の記載もある。ともに先輩から後輩に示された引き継ぎ資料だ。 東京大学2年だった滉さんは2012年7月27日、コンパ長として参加した「隅田川花火大会場所取りコンパ」で亡くなった。急性アルコール中毒だった。両親によると、死体検案書には「致死量に近いアルコール血