その昔、坂口安吾という作家がいた。彼は物を所有すること、いや、所有した物に束縛されることを極度に拒み、お金や家具・食器を持たない生活に努めた。作家になったばかりの頃は、食うのに困るほどの原稿料であったにも関わらず、原稿料が入るとその日に使い果たし、家には鍋ひとつさえも置かないように努力していたのである。 当時の安吾を彷彿させるような人物が、米ニューヨークにいた。その人物は、たった15個の必要最低限の物しか持っていない。しかし安吾とは少々勝手が違うようで、食うのに困るようなことはない。増してホームレスという訳でもなく、ホテルで暮らしているようだ。 ちょっと変わった生活を送っているアンドリュー・ハイドは、パンツと靴下を除いて15個の物しか所有していない。彼が所持している品は次の通りだ。 ・ アンドリュー・ハイドが所有する15個の物(パンツ・靴下を除く) バックパック シャツ レインジャケ