“The sky above the port was the color of television, tuned to a dead channel. (港の空の色は、空きチャンネルに合わせたテレビの色だった)” という、SF史上屈指のスタイリッシュな書き出しで始まるWilliam Gibsonのニューロマンサー(Neuromancer)。出版されてもう30年になる。元祖サイバーパンク。そして翻訳家の黒丸尚はGibsonの造語 cyberspaceに「電脳空間」という訳語を当てた。その後のSFはまさにサイバースペース、サイバーパンクを無視しては語れなくなった。 ニューロマンサー以前のSFでは、Arthur C.Clarkeの「2001年宇宙の旅」でのHALや、James Tiptree, Jr. の「接続された女 (A girl who was plugged in)」のような少数の例