月で植物を育てる計画の実行可能性を調べるためにシロイヌナズナを栽培する実験が行われ、アポロ計画のミッションで採取された月の土壌試料で栽培したものの方が、地球上で採取された火山灰で栽培したものよりも成長が遅く、ストレスの兆候が多く見られることが示された。この知見について報告する論文が、Communications Biology に掲載される。今回の知見は、月の土壌で植物を効率的に育てるためには、植物と月の土壌の相互作用についてさらに研究を進める必要のあることを強調している。 今回、Robert Ferlたちは、アポロ11号、12号、17号の月探査ミッションで採取された12点の土壌試料を使って、ユーラシアやアフリカが原産の被子植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)を栽培し、月の土壌で植物の生存が維持されるかを検証した。これらの土壌試料は、それぞれのミッションで、