水で活性化する紙製の使い捨て電池という原理が示され、その実証が行われたことを報告するGustav Nyströmたちの論文が、Scientific Reports に掲載される。Nyströmたちは、この技術が、物体追跡用スマートラベル、環境センサー、医療診断デバイスなど、さまざまな低消費電力の使い捨て電子機器に利用可能で、環境への影響を最小限に抑えることができるという考えを示している。 Nyströmたちが考案した電池には、1平方センチメートル大のセルが少なくとも1個用いられ、3種類のインクが印刷された長方形の紙片によって構成されている。この紙片全体には、塩化ナトリウム(塩)が分散しており、一方の短辺とその付近に蝋を染み込ませている。この紙片の表面には、電池の正極として作用するインク(グラファイト片を含有している)が印刷され、裏面には、電池の負極として作用するインク(亜鉛粉を含有している