昨今、様々な業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでいるが、畜産分野は出遅れが著しい。そうした中、養豚場にAI(人工知能)技術を導入し、膨大な“ピッグ(Pig)データ”を活用した生産性向上に挑むのが、畜産スタートアップのコーンテック(熊本市)だ。プリマハムのグループ会社と共同で、世界最先端の養豚場の建設にも乗り出す。畜産テックによるおいしい豚肉の未来に迫った。 コーンテックは、養豚場向けに自家配合飼料のプラント建設とコンサルティングサービスを提供するスタートアップだ。一般的に国内の養豚場は高い価格の配合飼料を海外から輸入しているため、コストがかさみ、利益を出しにくい構造になっているケースが多い。同社によると家畜の餌代は経営コストの60%以上を占める。これが経営状況を悪化させ、後継者不足の要因にもなっている。実際、国内の養豚業者は2021年で3850戸と、10年前と比べて36