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ブックマーク / pandreamium.sblo.jp (1)

  • 汎夢殿: 無題

    泡坂先生が亡くなられました。  私にとって泡坂先生は、憧れの人でありました。精緻巧緻にして技に臭みがなく、あくまでも軽妙洒脱。奥行きはあるのにそれを自慢げに広げることがない。文章は上手く、読みやすい。なんとかその技を盗み取れないものかと、拙い筆を振りまわしてきました。  泡坂作品と出会ったのは、創元推理文庫の『亜愛一郎』シリーズが最初でした。思えば幸せな邂逅をしたものです。とにかくどの短篇を取っても、趣向が凝らされた、一読忘れがたいものばかりでした。短篇集というとどうしても一篇か二篇は「まあ中にはこんなものもあるさ」と思ってしまうものが含まれがちですが、『亜愛一郎』にはそんなハズレがありません。あれも面白いこれも面白いと思ううちに三冊するっと呑み込んでしまいました。  こうして読み返すと、特に好きな作品は二冊目『亜愛一郎の転倒』に多いことがわかります。逆説ミステリとはどんなものですかと尋ね

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