ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (23)

  • 2021年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2021年も終わろうとしているので、今年刊行されたの中でも特におもしろかった・記憶に残ったノンフィクションを振り返っていこうかと。昨年に引き続き今年もの雑誌の新刊ノンフィクションガイドを担当していたので、冊数はノンフィクションだけで200冊ぐらいは(数えているわけではないけど)読んでいるはず。 とはいえ、無限にピックアップしても仕方ないので、10冊目安に紹介していこう。 まずは科学書から 彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学 作者:キース・クーパー河出書房新社Amazon科学系のノンフィクションの中でも宇宙系から取り上げていくと、まず紹介したいのはキース・クーパーによる『彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学』。今年は中国最大のファーストコンタクトSF『三体』三部作が完結し、年末に邦訳が刊行されたアンディ・ウィアー最新作もファーストコンタクトSFの傑作で

    2021年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書
  • 世界初のペンギン学者と、ペンギンの奔放な性行動について──『南極探検とペンギン』 - 基本読書

    南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態 作者:ロイド・スペンサー・デイヴィス発売日: 2021/04/26メディア: Kindle版この『南極探検とペンギン』は、1910年頃から格的に実施された別々の二チームによる南極点到達の冒険譚と、その冒険に同行し、旅の途中でペンギン研究に目覚めた、世界初のペンギン学者であるマレー・レビックについて書かれた一冊である。 南極点到達の冒険譚については、アムンセン率いるノルウェー隊とスコット率いるイギリス隊の二つがほとんど同時期に乗り出している。結果的にノルウェー隊が先に人類初到達を成し遂げ、それを知らずに南極点へと向かったスコット隊5人は、到達したのはいいものの帰路にて一人、また一人と(凍傷や栄養不足により)隊員を失い、最後にスコット含む三人はおそらく飢えと脱水症状により、テントの中で息絶えた。スコットは最後に、小さなノートに

    世界初のペンギン学者と、ペンギンの奔放な性行動について──『南極探検とペンギン』 - 基本読書
  • 世界はぐんぐん良くなっている──『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』 - 基本読書

    進歩: 人類の未来が明るい10の理由 作者: ヨハンノルベリ,Johan Norberg,山形浩生出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2018/04/24メディア: 単行この商品を含むブログを見る「10の理由」とか、やけにアッパーな書名が全体的に怪しいものの、訳者が山形浩生さんだったので読んだらこれがちゃんと当たりであった(いちおう弁護しておくと、人類の部分は邦題オリジナルだがそれ以外はおおむね原題通りである)。 内容としては至極単純で、「世界はどんどん前よりも良くなっている」というだけの話ではある。実際、それはその通りだ。『暴力の人類史』など、近年のノンフィクションを読んでいる人間なら「知ってる知ってる。暴力も減って栄養状態もよくなって差別も減って、現代サイコーだよね」と頷くかもしれないが、実は多くの人は世界は悪化しつつあると思っている。たとえば著者によると、イギリス、オーストラリア、

    世界はぐんぐん良くなっている──『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』 - 基本読書
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    meltylove 2018/04/27
    知性とその派生物が世界をよくしていっている、ということが想定できるだけの情報を見せていただけるのは、幸せだなー。
  • 筒井康隆を軽く飛び越えていった才能──『ビアンカ・オーバーステップ』 - 基本読書

    ビアンカ・オーバーステップ(上) (星海社FICTIONS) 作者:筒城 灯士郎,いとう のいぢ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/03/16メディア: 単行(ソフトカバー)ビアンカ・オーバーステップ(下) (星海社FICTIONS) 作者:筒城 灯士郎,いとう のいぢ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/03/16メディア: 単行(ソフトカバー)いやはや。 書『ビアンカ・オーバーステップ』は元々筒井康隆がはじめてライトノベルを書いたという触れ込みで発売された『ビアンカ・オーバースタディ』のあとがきで存在を明かされ、「誰か続篇を書いてくれ」と後に託された作品であった。それをデビューもしていない著者が勝手に書いて新人賞に応募してしまったものの書籍化である。 狂人かな? 読み終えて思ったのは著者は狂人なのだろうなということである。何しろあまりにおもしろい。章ごとどころか

    筒井康隆を軽く飛び越えていった才能──『ビアンカ・オーバーステップ』 - 基本読書
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    meltylove 2017/04/16
    狂ってる雰囲気と才能の組み合わせはすてきだ
  • 天才が天才について描いた映画監督漫画──『映画大好きポンポさん』 - 基本読書

    www.pixiv.net 傑作である。 非常にシンプルで洗練された作品であり、何よりも"フリーで"公開されている漫画作品なので、(あと僕にあまり漫画を語るスキルがないし)長々と紹介するのはやめておこう。一度でも読み始めたら最後、最初の一コマから最後の一コマまで無駄なく洗練された台詞回しと演出にぐっと掴まれ最後まで読みきらずにはいられないだろう。 表紙の「イカちゃんかな?」みたいなデフォルメされたキャラクタからはシリアスな物語が展開するとはとても思えないが、凄腕映画プロデューサーのポンポさんを筆頭として魅力的な"天才"たち──一瞬で別人に変貌してみせる、演技に関して天性の才能を発揮する天才俳優、映画のこと以外考えられない、それ以外の能力はまったくもって存在しない目が濁っている天才映画監督、物の才能を見つけて、適切なタイミングで適切なお題を与えることができる天才プロデューサー──そのすべて

    天才が天才について描いた映画監督漫画──『映画大好きポンポさん』 - 基本読書
    meltylove
    meltylove 2017/04/11
    まんが面白かったし、この推薦文も素敵だった
  • ハヤカワ文庫補完計画作品を全部読んで/レビューしてのあとがき&目次 - 基本読書

    早川書房70週年を記念して行われた『これまで小社の歴史を彩ってきた名作・傑作70点を、新訳・復刊・新版で装いを新たに刊行してまいります。』という、「ハヤカワ文庫補完計画」に勝手に乗って全レビューしていたのだが、これが終わった。最初は1点につき1500字くらいの簡単なものを予定していたのだが、それでは到底不可能なことがわかり結局どれも3000字ぐらいかけて格的に書いてしまった。 とはいえ普段レビューを書いていない人間が突然書き始めたわけでもないし、普段書いている記事の一部分がこの企画にとって変わっただけでもある。やり遂げたという感じでもなく、あれ、終わったのか、という呆気なさの方が強い。なんとなく「終わったらあとがきを書こう」と決めていたから今これを書いているけれども、特に何か書くことがあるわけでもなかったりする。まあ書いていれば何か出てくるでしょう。 なんでこんなことをやろうとしたのかと

    ハヤカワ文庫補完計画作品を全部読んで/レビューしてのあとがき&目次 - 基本読書
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    meltylove 2016/04/21
    いろいろ興味が出たし楽しかった。よかったです。
  • あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生 by 佐々木敦 - 基本読書

    あんまり評論家の人の文章は読まないんだけれども、佐々木敦さんは例外的にちゃんと読んでいる人だと思う。それは何も評論家の書くものはつまらないだとか言っているわけではなくて、ただ個人的に言ってることの意味がよくわからないことが続いたから避けるようになっただけなのだが。もちろん部分部分わかるところもあるし、理屈の通り方とその理論を単独で見た構築物として見たら面白いと思うのだけど、作品を読んだ時の実感と理論の繋がりについていけないというか。理論は面白いけど作品と当につながってるのか……?? 全然わからない……となる。 佐々木敦さんの視点の置き方や文章はそういう意味で言うと、作品にキチンとくっついている安心感がある、というか作品のこういう要素が読者にこういう影響を与えますよね、と「読者に」接した地続きの論を展開しているイメージがある。といっても僕も佐々木敦さんの熱烈なファンというわけではないのでた

    あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生 by 佐々木敦 - 基本読書
    meltylove
    meltylove 2014/10/09
    評論の文章、つながりわからない……ってじぶんもなりがちだし、楽しそうと思った
  • はじめにコマンド・ラインがあった『チューリングの大聖堂: コンピュータの創造とデジタル世界の到来』 - 基本読書

    チューリングの大聖堂 上: コンピュータの創造とデジタル世界の到来 (ハヤカワ文庫 NF 491) 作者: ジョージ・ダイソン,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/03/09メディア: 新書この商品を含むブログを見るチューリングの大聖堂 下: コンピュータの創造とデジタル世界の到来 (ハヤカワ文庫 NF 492) 作者: ジョージ・ダイソン,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/03/09メディア: 新書この商品を含むブログを見る分厚く、内容は詰まっていて、かつお高い。がここにはデジタル・コンピュータの創世神話がまるごと入っていて、それを思うと値段も分厚さも気にならなくなる。ひとことで言えば信じられないような大傑作で、このの中で描写されていく科学者たちの描写に、葛藤に、何よりフォン・ノイマンを筆頭とする「天才」たちに、身も震えんばかりだ。 書の

    はじめにコマンド・ラインがあった『チューリングの大聖堂: コンピュータの創造とデジタル世界の到来』 - 基本読書
  • 赤塚 聡『ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書)』 - 基本読書

    ドッグファイト(英: dog fight)は、空対空戦闘において、戦闘機同士が互いに機関銃・機関砲または短射程空対空ミサイルの射界に相手を捉えようと機動する状態を指す用語。格闘戦、巴戦とも。──ドッグファイト - Wikipedia 戦闘機は実際にお目にかかることはまずないけれどフィクションの世界では、たまに題材にされる。森博嗣スカイ・クロラや神林長平の戦闘妖精雪風、あるいは有川浩の空の中などなど。実際問題戦闘機ファン以外誰得なである気もするけれど(自分の国がどのように守られているのかを知っている必要はあるだろうが、ドッグファイトについて知らなくても別に問題はない)フィクションを楽しむための知識があっても良いだろう。 というわけでドッグファイトの科学である。最近押井守監督作であるスカイ・クロラがふと見たくなって、BDを買ってみたのだがここでのドッグファイトはみていて滅茶苦茶楽しい。こんな

    赤塚 聡『ドッグファイトの科学 知られざる空中戦闘機動の秘密 (サイエンス・アイ新書)』 - 基本読書
    meltylove
    meltylove 2012/12/04
    楽しそう。スカイ・クロラ読むの楽しくなりそうだなってじぶんも思いました。
  • ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー : あなたの意思はどのように決まるか?』 - 基本読書

    心理学者でありながらもノーベル経済学賞を受賞したあのダニエル・カーネマンの新刊とあっては読まねばなるまい。ハードカバーの上下巻で存在感抜群だが、意思決定の限界とシステムについてここまで網羅的なものは初めて読んだ。 書では脳の働きを架空の2つのシステム(システム1とシステム2と書では呼ばれている)にたとえて、このふたつの相互作用として説明している。 簡単に言ってしまえばシステム1は直感や感情といった「一瞬で把握、表現する力」のことであり、システム2は注意深い、思慮深い部分である。通常「自分自身」つまり考える主体という意味ではこちらを指す。たとえば犬をみて「あ、ゴールデンレトリバーだ」と一瞬で認識できるのはシステム1のおかげである。対して17✕24のような問題を解くときに動き出すのはシステム2だ。 テーマとして面白いのがその「システムの相互作用でどのような問題が起こるのか」である。たとえば

    ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー : あなたの意思はどのように決まるか?』 - 基本読書
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    meltylove 2012/12/04
    意志、意思、心のシステムについて。これはおもしろそう……!
  • 科学の存在理由、科学の目標とは - 基本読書

    有名な書評ブロガーの小飼弾さんはだいぶまえに⇒404 Blog Not Found:ほんと馬鹿 - 書評 - 科学的とはどういう意味かこの記事の中で森博嗣さんの『科学的とはどういう意味か』の最後の方に書かれた「科学の存在理由。科学の目標とは、人間の幸せである。」なる記述を取り上げて、批判している。実は最初に読んだ時からずっと違和感があった(小飼弾さんの記事を)。 しかし違和感があったものの、よくわからずそのまま通り過ぎていたのだ。それが今日中谷宇吉郎さんの『科学の方法』を読んでいたら森博嗣さんがどういう意図でもって「科学の存在理由。科学の目標とは、人間の幸せである。」を言ったのかがようやく理解できた(ちなみにこの科学の方法は、森博嗣さんの小説で引用に使われている一冊でもある)。いまさらだが書いてみたい。 小飼弾さんの主張は科学は存在理由など必要としない。そこにあるものを知りたいという欲求で

    科学の存在理由、科学の目標とは - 基本読書
    meltylove
    meltylove 2012/11/14
    "科学で自然を解き明かすとはいうが、科学で見える自然の実態を作り上げていくといったほうが正しい"
  • 効率的に資格をとる為のたったひとつの冴えたやりかた - 基本読書

    資格勉強をしていて最強の資格勉強法を思いついたのでここに書いておこう。それは毎日コツコツと勉強することだ。おどろくべきことに毎日コツコツと勉強しているといずれ資格がとれるのだ。これは完璧な作戦だ、僕は天才だぜ。ただ毎日コツコツやることが死ぬほど難しいという点に目をつぶればな。そう、問題はいかにして勉強をするかではなく、いかにして毎日コツコツ勉強をするかなのである。しかしこれはほとんどの勉強法について書いてあるで見落とされていることなのだ(たぶん。読んだこと無いからわからん)。 どうすれば人は毎日コツコツ勉強をするのか? 答えは簡単で、「覚悟」の有無でしかない。受験勉強を「親に言われたから仕方なく」やっている人間と自分の未来の為に、行きたい大学があって勉強をしている人間とでは覚悟がまったく異なるのだ。どのような類の勉強をするにせよ、これからやることに対してどれだけの意味があるのかということ

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  • 物語の射程についてと神林長平イノベータ論 - 基本読書

    SF作家である神林長平先生のロングインタビューが掲載された。⇒「若い人」たちの健闘を祈っている〜SF作家・神林長平インタヴュー:WIREDジャパニーズSFスペシャル【1】 « WIRED.jp この記事へのブックマークコメントで僕は「あらためてなんで世界的作家になっていないのかとても不思議である(翻訳はされているけど)。これだけの射程で小説を書いている人がどれだけいるのか。意外といるか。」と書いたのだが、これだけ書いても意味が伝わらないかと思ったので補足を書く。 ある文学作品が「射程」が広いと僕がいう時それはどういうことを指しているのか? といえば作品内で表現されている記号的抽象的表現が、まったくことなる時代、まったくことなる年代、まったくことなる状況で悩んでいるかもしくは悩んですら居ない人々にも共感もしくは感動といった優れた文学が与える「良いこと」が起こることである。 たとえば尖閣諸島の

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  • もっと勉強しておけばよかったと思った話 - 基本読書

    『学力と階層』という、学力における階層差が存在するのかを分析したを読みながら自分が受けてきた教育について考えていた。小学校のときは楽しかったような気がするが、中学高校と上がるにつれて嫌で嫌でしかたがないものになり、なんとかして避けるべきものになっていってしまった。 思えば誰もが「将来絶対勉強しておけばよかったと後悔するよ」とか「勉強はゲームだと思えばイイ! 楽しいぞ!」とかクソみたいな理屈で人に勉強をさせようとしてきたが、僕はその頃からすでに大半のゲームが嫌いだったし、「絶対将来勉強しておけばよかったなんて云わない!!」と激怒して適当に好きなを読んでサボっていた。 しかし今こうして「もっとちゃんと勉強しておけばよかったなあ」と考えているのだから、そういうものなのだろうな。でも「将来後悔するから勉強しておいたほうがいいよ」とは人にはいわないようにしよう。そんなのわからないからね。 なぜ今

    もっと勉強しておけばよかったと思った話 - 基本読書
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    meltylove 2012/08/15
    解放されない区画(本屋)っていうイメージよいです。
  • ぼくらのよあけ - 基本読書

    すごすぎる。傑作だ。不時着した地球外生命体と、小学生たちがコンタクトをとり、秘密を持ち、宇宙に返してやる。最も簡単なあらすじはこのように一行で表現できるものであるし、これだけ聞けばありふれた筋であると言える。しかし、筋の新規さ=話の面白さではない。2038年という未来の、あくまでも日常のテクノロジーを丹念に書き、異性体の目的、それは作品のテーマにもつながってくる、これを我々の日常生活の問題と同時並行で語る構成が見事だ。 2038年なので進歩したテクノロジーが日常化している。だれもが空中に投影できるホログラムで通信を行い、人工知能が発達しオートボットと呼ばれる人のお手伝いロボットがそこら辺にいる。まだすべての家庭に行き渡っている状況ではないようだが、遠からずそうなりそうな予感。このオートボットに搭載されている人工知能との対話も、物語のテーマのひとつだ。 あとSF漫画でガジェットをここまで魅力

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  • ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper - 基本読書

    素晴らしい。森博嗣著、ヴォイド・シェイパという侍が強さとかを考えながら旅をする前作からの続編。何シリーズと呼称されているのかは知らないが、シリーズものの第二作。来三作で終わる予定だったが、全五作になったようだ。ソースは知らない。Twitterでそう言っている人をちらほらみかけました。※前作の感想⇒ヴォイド・シェイパ - 基読書 なぜ増えたのだろう、と読み終えた今思うのだけど、「思ったより先があった」というのがその理由なのではなかろうか。もちろんそんなことどうだっていいんだけど、でも、それだけの深さがこの『ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper』にはあった。ヴォイド・シェイパよりもさらに深く、底知れない先があるように読めた。 思ったより長くなってしまった、というだけなのかもしれない。小説家のインタビューなどを読んでいると、往々にしてそういうことがあるようだ。ただ、森博

    ブラッド・スクーパ - The Blood Scooper - 基本読書
  • いま集合的無意識を、 - 基本読書

    神林長平は僕にとってあらゆる意味で特別な作家である。最も好きな作家であり、大なり小なり人生に影響を受けてきた。大学生の時雑誌をつくろうとしており、その際に教授へのインタビューなどを行なっていたことがあるが、その時の質問に「人生に影響を与えたはありますか」という質問もあった。僕はこのようなことを言われたことがある。『程度で人生が変わるはずがない』僕はこの答には即座に反論することができる。 ごく個人的な内容から書き始めたのは正直な気持ちで書こうと思ったからかもしれない。書『いま集合的無意識を、』は短編集である。書が初出の短編はないが、どれも無意識をテーマに扱っているという点で統一感がある(かくも無数の悲鳴はちょっと違うか)。その中でも表題作となっている『いま集合的無意識を、』は圧巻だ。 これを読んでいて、なぜ僕にとって神林長平は特別な作家なのだろう。そしてなぜ他の多くの人にとっても特別

    いま集合的無意識を、 - 基本読書
  • 仕事道楽―スタジオジブリの現場 - 基本読書

    これは大変おもしろかった! お風呂で読み始めたら面白すぎて読み終えるまで風呂から出られず。スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫が語るジブリ、というか基は宮崎駿と高畑勤のエピソード。このエピソードがどれもこれもぶっ飛んでいて良い面白さ。そして凄いのはプロデューサーたる鈴木敏夫自身。 まず凄いのは鈴木敏夫自身ですよ。鈴木敏夫と宮崎駿が始めて出会ったのはちょうど『カリオストロの城』を作成した時期。取材に訪れた鈴木敏夫に対して、「取材を受けたくない」と一言言ってあとはもう何も言わない。それではどうしたのかというと、宮崎駿が仕事をしている横でずっと座り続けた。 「邪魔だろ!!」と思うのですが、宮崎駿の仕事パターンにのっとって、午前二時に帰って朝九時にまた座りにいく。その作業を一週間近く続けたところでやっと、宮崎駿が絵コンテをみせて、話の相談をしたそうです。なんか人に慣れていない猿かなんかを辛抱

    仕事道楽―スタジオジブリの現場 - 基本読書
  • 2010年ジャンプ23号の感想 - 基本読書

    無駄に長いので収納 トリコ 繋ぎ回というか読者サービス回だったので特に言う事はないのですがサニーさんの裸は別に読者サービスじゃないですしバタフライセラピーはハンターハンターに似たようなのいたぜ!と思いましたしサボテンドクターはサボテン持ってくるだけで商売になるのでぼろい商売だなと思いましたし再生屋の与作さんは禁煙の店に堂々とタバコ吸いながら入っていって『ならばそのルール破ろう!! 世界には!! そうせねば見えない景色がある…!!』とか言っているけど禁煙のルールを破ったところで見えてくる世界は無いと思いました(色々言う事あるじゃねえら!)ただの迷惑なおっさんじゃねぇか! ワンピース >ダダンの自由な教育方針 槍とか剣とか弓とかで戦っていた、三国志や戦国時代のような話に、人間を絶対にダメにする教育方針があったそうです。それが生かされるのは戦争中に相手国の王族の息子を捕虜にとった時。自国内で精一

    2010年ジャンプ23号の感想 - 基本読書
    meltylove
    meltylove 2010/05/11
    ツッコミ鋭しと思いました。
  • 絵の練習をしている。 - 基本読書

    少し前から地味に絵の練習をしております。わたしの今の画力は皆無といってよく、棒人間すらまともに書けないのだけれど、それでも練習しています。周囲の人間に絵を書いているというと、「え? なにそれ冗談なの? バカジャナイノ?」とパターンにはめられたような回答が返ってくるけれど。まあ確かに今までまったく絵を書いたことのない人間が突然練習を始めたら、冗談かと思うだろう。べつにイラストレーターになりたいわけでも漫画家になりたいわけでもないのだから、せめて「ふーん、興味ないけど、まあ適当に頑張れば」ぐらい言ってほしいものである、とは思う。 なぜ絵を描くのかと言えば、なんとなく方向性に行き詰っているからです。なんの方向性かといえば、「もうちょっと自分を面白くする為」の方向性です。そもそも面白く、といっても「誰にとって?」という問題が入るわけですが……。それが誰かと言えば、もちろん「わたし自身にとって」です

    絵の練習をしている。 - 基本読書
    meltylove
    meltylove 2010/03/08
    ちょうたのしそうです。(楽しそうなアイデアだーと思った次第でありお絵かき書評ちょう期待!というプレッシャーの意図はないです、って注釈しておきたく思ったので追記)