状況は、刻一刻と変化していた。 まだ日本全国が正月気分のただ中にあった1月3日の夜に日本を出国。中継地点のドバイでネットをチェックすると、目的地であるイエメンの状況が予想以上に緊迫していることを知る。国際テロ組織アルカイダのテロの標的となることを懸念して、米国と英国の現地大使館が閉鎖されたというのである。その後、無事にイエメンの首都サヌアに到着。ホテルにチェックインして、昼食を取ってから再びネットをチェックしていると、何と今度は現地の日本大使館も「領事業務停止」とのニュースが飛び込んでくる。さすがに、これには焦った。「われわれは政府から見捨てられたのか」と思ったくらいである。 6日に現地で開催予定のアジアカップ予選、対イエメン戦。このカードはまさにアクシデントの連続であった。当初は代表が始動する時期を考慮して、1月後半に日程をずらすための調整が進んでいたが、AFC(アジアサッカー連盟)