「女性は、男並みを超えて労(いたわ)られる必要はない」曽野綾子/『老境の美徳』(小学館) で、やっぱり真打ち登場である。「保育園落ちた日本死ね!!!」に対して、曽野綾子氏は、出演したBS日テレ『深層NEWS』で「自己中な感じがする」と仰った。とにかくインスタントに暴言を投げていらっしゃるが、その暴言の最たる出所である「週刊ポスト」(小学館)の連載がエッセイ集『老境の美徳』(同)にまとまったので、通読する。第二章のタイトルは「女性活躍社会の欺瞞」とある。 ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」に向かう反論として、「不満を国に向けるのはお門違い」というお門違いな指摘が多いことには呆れたが、曽野氏は、これらの指摘の先鞭をつけるように、子どもを安心して預けられる場所がないことを政治のせいにするべきではないと繰り返し主張してきた。 「私たちが生きる世の中は、決して理想通りにならない。ほんとうにしたいこ