韓国で国の予算執行を検査する監査院は、約20年かけた修復工事が今月に完成した百済時代末期(7世紀)の寺院跡、弥勒寺址(し)の「西の石塔」(高さ約14・5メートル)について「原型通りに修復されず、安全性の検討も正しく行われていない」とする報告書を発表した。所管の文化財庁は釈明に追われ、韓国内で「ありえないことだ」と批判が起きている。 「西の石塔」は百済の都だった扶余から南へ約30キロにある寺院遺跡、弥勒寺址にあり「韓国最古の石塔」として国宝に指定されている。日本統治時代に補強されたコンクリートの傷みが激しくなったことから、2001年から約230億ウォン(約23億円)かけて大規模な解体修理工事が行われ、日本の古代史ファンの関心も集めていた。 報告書によると、修復過程で構造安定性が十分検討されないまま設計変更が行われ、当時の石材と新たに持ち込んだ石材を混ぜて積むなどした結果、元の姿と輪郭などが異