福岡市の市長が禁酒令を発令したというニュースが話題になっている。 正確には「禁酒令」ではない。いくらなんでも、21世紀の市民社会で、そんな無茶なおふれを出すことは不可能だ。 実際のところは、 《福岡市の職員2人が飲酒後に暴行や傷害容疑で逮捕される事件があり、福岡市は21日、全職員約9600人と教員を対象に、外出先での飲酒を1カ月間自粛するよう求める通知を出した。――後略――》日本経済新聞5月21日版 ということだ。 誰であれ、勤務時間外に酒を飲む行為を禁じることはできない。法的な根拠は皆無だ。だから、この「通知」はあくまでも私的な「要請」に過ぎない。 そう考えれば、たいした話ではない。市長のちいさなお願い。本来なら文末にハートマークをつけて同報メールを打つのがせいぜいだ。どうせ強制力なんかありゃしないのだからして。 が、市長は本気だ。 その証拠に、「禁酒要請通知」にあわせて、飲酒による不祥