Marginal Soldier: 大人になんてなりたくない:「若作りうつ」社会 拙著「若作りうつ」社会 (講談社現代新書)をお読み頂き、ありがとうございました。ご感想を拝見しながら、年の取り方と未来について、箇条書き的に書き連ねたくなったので、やってみます。 1.おおむね1980年代〜90年代頃から、私達は、制度的にも、思想的にも、空間的にも、年を取らなくて構わなくなりました。生物学的には年を取り続けているのに、見た目や振る舞いはいつまでも若々しくいられる社会。そのメリットについては、これまで十分喧伝され、現在もテレビCMなどで謳われています。でも、良いことづくめでもあるまい、という疑問が私にはありました。 一般論として、人間が技術やイデオロギーによって何かを獲得する*1際には、必ずなんらかの喪失や変形を伴うものです。活版印刷も、電話も、インターネットもそうでした。社会的に年を取らなくて