ADHD(注意欠如多動性障害)の人の落ち着きのなさは、一定程度は、本人の努力によって抑えることができます。落ち着きなく身体を動かしてしまう症状を抑えるために、いつも米粒や粘土を持ち歩き、手で丸めている患者がいました。これはスポーツ選手が緊張する場面でガムをかみ、リラックスに努めるのと似たものかもしれません。 多くの場合、大人になると、はた目に明らかなほどの多動症状は収まっています。これは本人の意識的な努力によるものです。しかし「じっと座っていないといけない」状況下で、内面の緊張や落ち着きのなさが高まることも珍しくありません。 もっとも、ADHDの人は、体を動かすことで内面の落ち着きのなさを解消しているため、それを完全にやめてしまうのもストレスになります。周囲の邪魔になるほどの貧乏ゆすりや騒音は困りますが、粘土を丸めることは問題ないですし、ゴムボールなどで手遊びをするぐらいなら、周囲から認め