多くの犠牲者を出した広島市安佐南区の八木地区にある複数の谷について、国土交通省が砂防ダムの建設を計画し、1基は着工し、さらに9月から地質調査などを始める予定だった。 15年前に広島県内で起きた土石流災害を受け、順次進めていたものだが、早期着工を求めていた地元住民らは「もう少し早くダムが整備できていれば」と話した。 同省中国地方整備局は、県内で32人が犠牲となった1999年6月の災害を踏まえ、砂防法に基づき計約900億円をかけて同市や廿日市、大竹の3市で2001年度から砂防ダムの建設に着手した。 これまでに計53基が完成しており、被害が集中した八木地区では現在1基が建設中で、さらに9月からもう1基の着工に向けた調査に入ることを決めていた。8月18日、調査を知らせる書面を地区内の掲示板に張り出したが、その2日後に今回の土砂災害が起きた。