会場を見渡すと、『ガールズバンドクライ』やトゲナシトゲアリに関連したTシャツを着たファンが多いことに気づく。彼ら彼女たちは三人がステージに立つと大歓声を上げ、それぞれのサウンドチェックを見守る。そして、一人ひとり音出しを終えると同時に、まるでライブ本編のような声援を送り、日が暮れ始めたPHOENIX STAGE周辺が温かな空気に包まれていった。サウンドチェックの締めくくりとして、バンド全体で「傷つき傷つけ痛くて辛い」をワンコーラス演奏すると、オーディエンスの熱気はより高まっていき、ライブさながらの盛り上がりを見せた。のちのちこの曲がライブ本編に含まれていないことに気づいたファンには、きっとうれしいボーナスだったに違いない。 理名が夕莉や朱李、サポートメンバーへと声をかけて気合い入れをすると、あとはライブ本番を待つばかり……と安心していると、PAブースから「じゃあ、ベースさんお願いします」と