2014年04月20日11:13 カテゴリ本 21世紀の資本論 ピケティの本は世界的な論争を呼び起こしている。タレブの『ブラック・スワン』以来だろう。特にクルーグマンは、NYRBに長文の書評を寄せて絶賛している。ピケティの最大の強みは、15年かけて最近300年の各国の税務資料を収集し、富の分配とその内訳について包括的な統計をつくったことだ。 アメリカの分配の不公平が拡大していることは明らかだが、それは歴史上初めての出来事ではない。20世紀初めのヨーロッパでも同じぐらいの不公平があったが、今のアメリカの状況はそれとは違い、上位1%の「スーパースター」が20%の所得を取るのが特徴だ。メディアンの労働者の所得は40年前とほとんど同じだが、上位1%の所得は165%増え、上位0.1%は362%増えた。 これは限界生産力説では説明できない。ではどう説明するかはむずかしい問題で、ピケティもそれ以上に説得