競馬にあまり詳しくない人でも、12月最後の日曜日に行われる有馬記念の存在は知っているのではないだろうか。最高潮に盛り上がる年の瀬のグランプリだが、ファンと厩舎サイドとの間には微妙な温度差がある。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、ウオッカが2008年、2009年と年度代表馬となったのに有馬記念を走らなかった理由を語った。 * * * ファンにとって有馬記念は一年の最後を締めくくる大事なレース。「終わりよければすべてよし」ということで予想を的中させて新年を迎えたいことでしょう。しかし、その年のチャンピオンを決めるグランプリという位置付けが、舎としてはもうひとつピンとこない。「お祭り」という感じでしょうか。 年が終わるという意識が薄いせいです。リーディング争いなどの数字はリセットされ、少しレースの間隔も開きますが、競