河村たかし市長(73)は眉間にしわを寄せ、一度目を閉じた後、いつもの口調で話しだした。「早くやってくれと言っとるんですが。はよやりたいことは事実」。今月二十日の記者会見。市長選で公約に掲げた敬老パスの利用回数の制限緩和について問われ、こう答えた。 年千〜五千円の負担金を払った六十五歳以上の高齢者が使える敬老パス。今は市営地下鉄や市バスが乗り放題だが、来年二月から一人当たり年七百三十回に利用回数が制限される。二〇二〇年の市議会二月定例会で決まったことだが、市長は今年四月の市長選で突然、「バス・地下鉄の乗り継ぎは(二回でなく)一回に数える」と、制限の緩和を盛り込んだ公約を発表した。