明治期に福井の眼鏡産業の礎を築いた増永五左衛門、幸八兄弟の挑戦を描く映画「おしょりん」の撮影が終盤に入った。三十日のクランクアップを目指し、現在は越前町の萩野小学校旧笈松分校で撮影中。ロケ地はすべて県内にこだわった「オール福井」の映画製作では、毎日の炊き出しやロケ弁も福井尽くしだという。山中の現場にお邪魔した。 (北原愛) 「うわー、すごい」「カニが山盛り!」。二十七日の昼食は、地元特産のベニズワイガニ一匹分が載ったベニガニ丼と甘エビのみそ汁、熱々の油揚げなどだった。 カニ丼は越前町観光連盟の職員が百食分をほぐして盛り付けた労作で、出演者やスタッフを喜ばせた。福岡県出身のカメラマン、岸本正人さん(53)は「食べ物がとにかくうまい。地方ロケはやせるけど、今回は太ったね」と、勢いよく頬張っていた。 「食堂」は撮影現場前に設営されたテント。配膳や調理を担当する地元スタッフが「おかわり、ありますか