三重県桑名市の多度大社で毎年5月にある県無形民俗文化財の上げ馬神事をめぐり、動物虐待行為をなくすよう求める2万917筆の署名が11日、県と県教委に出された。署名に寄せられた声も添え、「現代の倫理観と動物福祉に沿った、動物虐待のない神事の実現を」と訴えている。 市民有志7人が呼びかけた「多度大社の上げ馬廃止を求めるOneTeam」が6~8月にインターネットで国内外から集めた。有志の一人で署名を持参した四日市市の会社員、富森美保美さんは、馬を脅して坂を上らせたり、壁を飛び越えさせたりする行為は虐待に当たると指摘。「神事をやめさせたいわけではない。国際社会からも認められる形にして次世代に継承してほしい」と話した。 上げ馬神事は、若者を乗せた馬が急坂を駆け上がり、頂上の土壁を乗り越えられるかどうかで農作物の豊凶を占う。今春の神事では負傷した馬が殺処分され、動物虐待を指摘する声が強まっていた。署名を