楽天がFA権を持つ嶋基宏選手のFA宣言後の残留を認めないようだ。楽天に限らず、そのような方針を打ち出している球団は少なくないが、果たしてこの戦略は球団にとって得策なのだろうか? そもそも、FA権を得た選手が権利を行使せず残留するとしたら、それはどんなケースか? これは、1)凡庸な選手の場合と、2)スター選手の場合に分けられるだろう。 1)の場合は、その選手にはFA市場に打って出ても好条件を引き出せるほどの商品力がないため、球団がFA宣言後の残留NGの方針を打ち出さずとも、選手は権利の非行使を選択するはずだ。したがって、球団にマイナスはあってもプラスはない。 それでは、2)の場合はどうだろう。これは分かりやすいケースを想定して考えて見よう。 たとえば、ある選手の今季年俸が1億円としよう。彼は、自由競争のFA市場では同等クラスの他選手の年俸から推測すると、その倍の2億円の年俸が獲得できるかもし