(6/6)混迷の時代が始まった ポストSSの日本競馬 「種牡馬の体調が悪い時期に交配すると、産駒の出来も悪くなるのか」――。昨年秋ごろ、社台グループでは、こんな声が聞かれていたという。今年の3歳世代は、大種牡馬サンデーサイレンス(以下SS)のラストクロップとして注目を浴びていた。だが、2歳の秋を迎えても、なかなか勝ち進まない。この世代の種付けが行われた2002年春、SSは後に致命傷となるフレグモーネを発症。5月初旬で種付けを中止した。同年の産駒は107頭にとどまり、200頭を優に超える種付けをしていた前年の6割以下に減少していた。 06年春のクラシックは、こうした懸念を裏付ける形で終わった。SS産駒は皐月賞が3着、桜花賞とオークス、日本ダービーの2着が最高に終わり、4年ぶりに春の牡牝4冠を勝てなかった。SS産駒がクラシックに参戦し始めた1995年以降、1つも勝てなかったのは97年、02年に