2009年09月07日19:10 カテゴリ 知覚の限界 ――兵藤一夫『唯識ということ:唯識二十論を読む』9頁〜―― 私たちは五感によってその瞬間瞬間の外界の現実を知覚していると考えてい ますが、外界の対象の発する刺激は対象と私たちの感官の距離と種類(光や 音など)によってその到達時間が異なるため、実際はばらばらの時間帯に存 在する諸対象を刺激の到達した瞬間の現実として心で再構成して知覚してい ます。 例えば、「山に沈む夕陽の中を烏が飛んでいるのを私は子供の手を引きなが ら見ている」瞬間を取り出すとします。その瞬間の夕陽、山、烏などの姿形 は、それぞれの対象から私の眼に光が到達するのに時間が要しますから、厳 密に言えば、知覚の瞬間と同じ瞬間のものではありません。夕陽、山、烏ま での距離がそれぞれ1億5千万Km、3Km、0.3Kmとすれば、光の速度は毎 秒30万Kmですから、夕陽は500秒前の
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