政府は12日、2017年度の科学技術白書を閣議決定した。人材力、知の基盤、研究資金といった科学技術・イノベーションの「基盤力」に多くの課題を挙げ「わが国の国際的な地位のすう勢は低下していると言わざるを得ない」と指摘。近年の日本の研究力の低迷ぶりを如実に表す内容になった。 各国の政府の科学技術関係予算の伸び具合を00年と比べると、中国が13.48倍(16年)、韓国が5.1倍(同)、米国が1.81倍(17年)になったのに対し、日本は1.15倍(18年)とほぼ横ばい。 博士課程への進学者も04年度の約1万8000人をピークに減り始め、16年度に1万5000人を割った。海外へ派遣する研究者の数は00年度(7674人)をピークに15年度は4415人と減っているほか、国際共著論文の数も伸び悩むなど、国際性の低下も問題になっている。 新たな研究分野への挑戦不足も指摘している。注目度の高い研究分野への参画