2021年1月28日、米国情報標準化機構(NISO)が、推奨指針“NISO RP-31-2021, Reproducibility Badging and Definitions”を公表しました。 学術出版物に付与される研究再現性に関するバッジについて、学会・出版社等が定めたバッジが複数存在し、定義の統一もなされていない状況を踏まえ、バッジの種類と定義等に関する統一的な推奨指針を提供するものです。 NISO’s Recommended Practice on Reproducibility Badging and Definitions Now Published(NISO, 2021/1/28) http://www.niso.org/press-releases/2021/01/nisos-recommended-practice-reproducibility-badging-and
2021年2月2日、神奈川県川崎市は、「今後の市民館・図書館のあり方(案)」について意見募集を行うことを発表しました。 川崎市は2020年2月に公表した「『今後の市民館・図書館のあり方』に関する基本的な考え方」を基に、「市民館利用者グループヒアリング」をはじめ、「図書館のあり方に関する懇談会」や「市民館フォーラム」の市民や有識者の意見をとりまとめて、「今後の市民館・図書館のあり方(案)」を作成しました。2021年1月29日付で公表された「今後の市民館・図書館のあり方(案)」では、市民館・図書館が、地域の中でそれぞれの機能を最大限に発揮することで、全ての市民が生涯を通じて学び続けることができるよう、それぞれの施設運営や施設整備の方向性が示されています。 川崎市は、2021年3月1日を期限とするパブリックコメントを経て、2021年3月に「今後の市民館・図書館のあり方」を策定する予定です。 「今
2021年2月20日、岩手県の奥州市立胆沢図書館は、猫本コーナー「猫ノ図書館」が2021年2月22日(猫の日)に開設4周年を迎えることを記念した行事を開催します。 記念行事は二部形式で開催され、第一部のセレモニーでは、ねこ館長の辞令交付式、ねこ館長とヒト館長によるあいさつ、活動報告、4周年記念グッズのお披露目が行われます。第二部のイベントでは、ヒトと猫とのかかわりの古今について、胆沢や県内に残る資料をもとに探る内容の民俗ねこばなし「胆沢の猫碑・岩手の猫碑」が行われます。 また、1月20日から2月21日まで、猫写真家のあおいとり氏によるパネル展「気ままに猫だもん。」が開催されています。 【胆沢図書館】 猫ノ図書館4周年記念行事開催(奥州市,2021/2/12) https://www.city.oshu.iwate.jp/soshiki/46/39030.html https://www.c
2021年2月15日、京都大学図書館機構は、粗悪学術誌啓発リーフレット「見極めるチカラ」を作成したことを発表しました。日本語版及び英語版が公開されています。 同リーフレットは、研究者が投稿・査読・編集等を通じハゲタカジャーナル(Predatory Journals)と呼ばれる粗悪学術誌とかかわりを持つことを防ぐために作成されたものであり、次のコンテンツが含まれています。 ・粗悪学術誌 その本当のリスク ・体験談 狙われる京都大学の研究者 ・粗悪学術誌への投稿を防ぐ 確認すべき4つのポイント ・粗悪学術誌を見極めるためのチェックリスト 【図書館機構】粗悪学術誌に関する注意喚起について(京都大学図書館機構, 2021/2/15) https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1388639 京都大学図書館機構 粗悪学術誌啓発リーフレット「見極めるチカラ」 [
2021年1月28日付で、米国医師会(JAMA)が刊行するオープンアクセス(OA)の査読誌“JAMA Network Open”に、米・スタンフォード大学メタリサーチ・イノベーションセンターのValentin Danchev氏を筆頭著者とする論文“Evaluation of Data Sharing After Implementation of the International Committee of Medical Journal Editors Data Sharing Statement Requirement”が掲載されています。 同論文は、医学雑誌編集者国際委員会(International Committee of Medical Journal Editors:ICJME)が臨床試験を報告する投稿論文に「データ共有宣言(Data Sharing Statement)」の
2021年1月20日、Altmetric社が、2020年版の“Altmetric Top 100”を公開しました。 2020年の第1位は、新型コロナウイルスが人工的に合成されたという主張を否定する、2020年3月にNature Medicine誌に掲載された論文“The proximal origin of SARS-CoV-2”でした。同論文を含め、新型コロナウイルス感染症に関連する論文が上位100位までの論文のうち約30%を占めています。同テーマによる論文は、生物医学・建築環境・建築デザイン・経済学など多数の研究分野から発表されていますが、ウイルス感染とマスクによる保護が特に頻繁に議論されたトピックであったことを紹介しています。 また、新型コロナウイルス感染症以外に、気候変動・人種差別をテーマとした論文が、上位100位までの論文の多くを占めていることを紹介しています。 The most
2021年2月3日付で、cOAlition SによるプランSの実施に関連した見解・インタビュー・方法等を紹介するブログ“sOApbox”に、cOAlition SのCoordinatorであるRobert Kiley氏とExecutive DirectorであるJohan Rooryck氏の連名の声明が掲載されています。 この声明は、同日付で国際STM出版社協会が発表したプランSの「権利保持戦略」に対する懸念表明について、同戦略に対する誤った認識に基づいたものであるとして反論する内容です。cOAlition Sは、国際STM出版社協会の懸念表明で示された点について、主に次のように説明しています。 ・出版社版(Version of Record)論文の価値の低下に対する懸念が示されているが、プランSは論文処理費用(APC)・転換契約・転換雑誌等への支援を通して、出版社版論文のオープンアクセス
2021年2月3日付で、米・電子図書館連合(DLF)が、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における、メタデータに関するプロジェクトや活動を紹介する記事を掲載しました。 同記事は、電子図書館の標準・ツール・実践等の課題に取り組むAssessment Interest Group(DLF AIG)の、メタデータワーキンググループによるものです。同ワーキンググループでは、通常は来館者サービス等別の業務を行っている職員に仕事を提供するために、リモートやオンラインでできる業務として、デジタルコレクションに関する作業を増強した方法ついて議論が行われてきました。 記事の中では、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により休館、テレワーク体制となった以下の機関における、他部局の職員や学生スタッフ等を取り込んだ、デジタル資料に関するメタデータ作成・修正やテキスト化、索引付与のプロジェクト、新たなデジタルコレ
2021年2月1日、韓国・慶尚南道教育庁が、2021年度の学校図書館の環境整備事業として21校に16億ウォンを支出すると発表しました。 同庁では、2019年から、学校図書館を、単なる読書空間から、教育・学習において子ども・教師・保護者がコミュニケーションをはかり、情報を共有するための空間へと変化させるための環境整備事業を行っており、プレスリリースでは、用途に応じて空間を分割したり一つにしたりできるように改修した事例、楽しい話と討論・議論を同時に行えるように小規模な読書空間を別途設置した事例等が紹介されています。 2021年度は、14校で安全で快適な読書に親和的な施設環境への改善が、6校で利用しやすい場所への拡張・移転が実施されるほか、特別支援学校1校への支援も行われます。 경남교육청, 미래를 여는 학교도서관 공간 혁신 추진(慶南教育庁、未来を開く学校図書館空間の革新を推進)(慶尚南道
2021年2月2日、知的財産戦略本部は、「知的財産推進計画2021」の策定に向けた意見募集を発表しました。 「知的財産推進計画 2020」について見直すべき点や、「知的財産推進計画 2021」に新たに盛り込むべき政策事項等についての意見を募集するものであり、募集期間は2021年2月2日から3月3日までです。 知的財産戦略本部(内閣府) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/index.html ※「お知らせ」の欄に、令和3年2月2日付けで「「知的財産推進計画2021」の策定に向けた意見募集(PDF/219KB)について」が掲載されています。 「知的財産推進計画 2021」の策定に向けた意見募集 [PDF:219KB] https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/pdf/suishin2021_iken_b
研究データリポジトリDryadは、2月8日、同種のリポジトリZenodoとの連携を発表した。 Dryadは、新たなタブ"Upload Software"を追加。これにより、Dryad でコード、スクリプト、ソフトウェアをアップロードでき、それらを直接Zenodoに送信することができる。これまでDryadでCC 0のみとしていたソフトウェアライセンスについても、他のものを選択できる。 また、査読期間中のデータセット非公開機能や、論文採録前に対象者(ジャーナル関係者や共同研究者)だけがデータにアクセスするためのダブルブラインドURLの発行といったDryadの機能は、Zenodoにホストされるデータにも適用される。 公開後のデータセットは、DryadとZenodoのランディングページで表示され、DateCiteのメタデータが作成されるほか、バージョン管理や更新もDryadのインターフェイスで随時
NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy、科学技術・学術政策研究所)は、2月12日、「プレプリントの利活⽤と認識に関する調査」(調査資料-301)を公表した。 本調査は、2020年8~9⽉に、⽇本の研究者を対象にプレプリントの利活⽤と認識について調査したもの。1,914名中1,448名から回答を得た(回答率75.7%)。 その結果、プレプリントの⼊⼿経験は52.1%、公開経験は20.4%で若い世代ほど高く、分野や所属機関による顕著な差が示されたという。そのほか、入手および公開先や、入手・公開に関する賛否などがまとめられている。 プレプリントの利活⽤と認識に関する調査 (html) ※以上、NISTEP(accessed 2021-02-15) [ニュースソース] プレプリントの利活⽤と認識に関する調査[調査資料
STM(International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers、国際STM出版社協会)は、2月3日、cOAlition SのRRS(Rights Retention Strategy、権利保持戦略)※に対する声明を発表した。 STMは、cOAlition SによるOA(オープンアクセス)の拡大および多様なPlan Sへの準拠ルートを通じた研究者へのサポートは支持するが、現行のRRSを支持できないと主張。 声明の中で、現行のRRSの問題点として、購読やAPC(論文掲載料)を通じて支払われる出版社のサービス(原稿のチェック・校正・編集・査読など)の対価が減り、財政を維持することが困難になること、OAジャーナルへの潜在的な支持基盤を弱体化させる可能性があること、VoR(Version of Record)
Europe PMC(PubMed Central)は、2月9日、1万5,300件のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)関連のプレプリント全文が検索・閲覧可能になったと発表した。 Europe PMCは、2020年7月からCOVID-19関連のプレプリント全文のインデクシングを開始。Wellcome、英国のMRC(UK Medical Research Council、英国医学研究会議)、SNSF(Swiss National Science Foundation、スイス国立科学財団)のサポートを受けて同件数の検索・閲覧が可能になったという。 インデックシングの対象となるプレプリントは、arXiv、bioRxiv、ChemRxiv、medRxiv、Research Square、SSRNからのものであるという。 [ニュースソース] Over 15,300 full text COV
SAGE社は、2月9日、ドイツの学術研究機関とTA(Transformative Agreement、転換契約または移行契約)を締結したと発表した。契約は2021年1月から3年。契約交渉はBayerische Staatsbibliothek(バイエルン州立図書館)が行った。 本契約により、ドイツの100以上の学術研究機関に所属する著者は、900以上のSAGE社のハイブリッドジャーナルにはAPC(論文掲載料)なしで、150以上の完全ゴールドOA(オープンアクセス)ジャーナルには割引を受けて、論文を出版できる。また研究者は、投稿論文の追跡、OA義務の準拠状況の確認などが可能な"SAGE Open Access Portal"にもアクセスできるという。 [ニュースソース] SAGE and German Academic Institutions Launch Transformativ
OUP(Oxford University Press、オックスフォード大学出版局)は、2月5日、フィンランドのコンソーシアムFinELibとRead & Publish契約を締結したと発表した。契約は2021年1月から3年。 これにより、FinELibの11参加機関の研究者は、OUPのジャーナルコレクションにアクセスでき、同出版局のハイブリッドジャーナルに、OA(オープンアクセス)で論文を出版できる。 本契約は、Plan SおよびフィンランドのOAポリシーに準拠し、追加料金を支払うことなく論文を出版できるという。 [ニュースソース] OUP Reaches Read & Publish Agreement with Finnish Consortium, FinELib ― Oxford Academic 2021/02/05 (accessed 2021-02-08)
カナダのPortageは、2月3日、研究データリポジトリ"FRDR(Federated Research Data Repository)"の本格的始動を発表した。 これによりカナダの研究機関の研究者は、バイリンガルのリポジトリで研究データを公開でき、1TBの容量、複数のホストに分散された安全なリポジトリストレージなどを利用できる。 本リポジトリは、カナダの研究データへのアクセスおよび、研究機関や助成機関のデータ管理要件に準拠したデータの保存、管理、利用のためのもので、University of Saskatchewan(サスカチュワン大学)、Simon Fraser University(サイモンフレイザー大学)、University of Waterloo(ウォータールー大学)、University of Toronto(トロント大学)のサポートを受けて構築したという。 [ニュースソー
ウィズ・コロナ時代の北米の大学図書館サービス<報告> 早稲田大学図書館・御園和之(みそのかずゆき) 2020年12月10日,私立大学図書館協会オンラインセミナー「ウィズ・コロナ時代の大学図書館サービス~北米の現場から~」が協会加盟館の所属者を対象に開催された。筆者が所属する,本協会の国際図書館協力委員会では,例年,海外の図書館等を訪問し見識を深める海外認定研修を実施しているが,新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により,2020年度は中止となったため,その代替として実施したものである。企画・運営に関しては,丸善雄松堂株式会社様の多大なるご協力をいただいた。全国から135人の参加があり,また,東亜図書館協会(CEAL)日本語資料委員会のメンバーからも,特別に参加の希望があった。 本セミナーは,北米の大学図書館に勤務する以下3人の日本研究司書による事例報告と,パネルディスカッション・質疑応答
コロナ禍におけるオンライン学会:日本図書館情報学会の場合 日本図書館情報学会技術ワーキンググループ 日本図書館情報学会では,春季研究集会と研究大会の年2回,会員に対して研究発表の場を設けている。学会発表は会員それぞれの研究成果を発表し,質疑応答を経て研究の内容を改善した上で,学会誌への論文投稿へとつなげていく場である。特に研究発表を学位取得論文へとつなげる必要がある若手研究者にとっては,より重要な場であるといえる。しかし2020年度は新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響から,大会会場となる大学の施設使用が制限されるだけでなく,参加者の感染リスクを考えて会員を一か所に集合させての開催を避ける必要が生じた。 2020年4月18日に開催された第1回常任理事会では,この状況下で,同年6月6日に開催が予定されていた春季研究集会の開催方法を検討した。議論の結果,研究集会は学会が行うべき重要な活動であ
みんなで翻刻:歴史資料の市民参加型翻刻プラットフォーム 国立歴史民俗博物館・橋本雄太(はしもとゆうた) 東京大学地震研究所・加納靖之(かのうやすゆき) 新しい知識・情報の創造という図書館・ライブラリーが果たす役割を実現していることや,古文書を読める世代を失いつつある結果,それらを死蔵しかねない状況の図書館にとって存在意義が大きいとしてLibrary of the Year 2020 の大賞を受賞した『みんなで翻刻』は,インターネットを通じて誰もが参加できる歴史資料の翻刻プラットフォームである。「翻刻」とは歴史学の用語で,古文書や古典籍など歴史文献資料に書かれた文字を活字に起こし,史料集として刊行したり,データベース化してオンライン公開したりする作業のことを指す。日本には江戸時代以前から伝来する大量の文献資料が保存されており,近年はこれら資料のデジタル化も急速に進められている。しかしテキスト
ロックダウン下の英国公共図書館レポートに見る図書館の貢献 筑波大学大学院人間総合科学学術院・土屋深優(つちやみゆう) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により,英国では2020年3月から6月まで最初のロックダウン体制が敷かれ,公共図書館も少なくとも4か月の休館を余儀なくされた。ロックダウン期間中の公共図書館サービスについて,図書館関連慈善団体であるLibraries ConnectedおよびCarnegie UK Trustが調査レポートを公開した。本稿では両レポートについて概要を紹介する。 Libraries Connectedは2020年10月に調査レポート“Libraries in Lockdown: Connecting Communities in Crisis”およびそのサマリーを公開した。これらのレポートは132館へのアンケート,18人のサービス担当責任者へ
アマビエでつながる地域と図書館:信頼性のある情報発信 くまもと森都心プラザ図書館・石本美夏(いしもとみか) くまもと森都心プラザ図書館は,新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため2020年2月29日から5月20日までの82日間,休館を余儀なくされた。来館者サービスが実施できない中,「アマビエという妖怪について詳しく知りたい」という問い合わせの電話をきっかけに様々なサービスを開始した。これらのサービスは,当館の所蔵資料から得られる情報等に基づいたサービスという点等が評価され,2020年11月4日に第6回図書館レファレンス大賞文部科学大臣賞を受賞した。以下では,コロナ禍に当館で行った取り組みを紹介する。 レファレンスには,所蔵している郷土資料や民俗学の資料を駆使し,回答を行った。調査の過程で,アマビエは「疫病を鎮める」とされた妖怪であることが判明した。さらに,幕末当時に発行された瓦版には,ア
アンフォーレと安城市図書情報館の挑戦 安城市アンフォーレ課・市川祐子(いちかわゆうこ) 2017年にオープンした「安城市中心市街地拠点施設アンフォーレ(以下「アンフォーレ」)」およびその中核施設である安城市図書情報館(愛知県)は,この度「Library of the Year 2020」のオーディエンス賞を受賞した。本稿では,特に評価されたポイントを中心に,当館の取組みを紹介したい。 ●市民の「知の情報拠点」を目指して 安城市図書情報館では,市民の一番身近な「知の情報拠点」として乳幼児から高齢者まで誰もが自由に利用できるよう,3つの新しい取組みを行った。 まずは,排架を「自由」にした。図書館員は慣れている日本十進分類法(NDC)だが,初めて訪れる市民にとっては意味のわからない数字の羅列でしかない。そこで,3階フロアを中心に13の独自ジャンルを設定し,その中でNDC順に排架することで,ジャン
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