ブックマーク / kany.hatenablog.com (28)

  • オープンサイエンス革命 - 日々の記録

    原著の"Reinventing Discovery"が発売されたときから「いつか読もう」と思っていたが、気がついたら日語翻訳が出ていた。ちなみに自分は勘違いしていたが、原書も日語訳もCreative Commonsでの無料公開はされてはいない。 その理由について、著者のニールセンは「書では、原則として公的資金による支援を受けた科学研究はオープンサイエンスになるべきと議論している。書は公的資金の支援も受けていないし、厳密には科学でもない(since the book argues as a broad principle that publicly funded science should be open science; the book is neither publicly funded nor, strictly speaking, science.)」と説明している。 オ

    オープンサイエンス革命 - 日々の記録
  • 中国の科学研究 はどうなっている? 日本はそれにどう向き合っていく? - 日々の記録

    「科学技術大国」中国の真実 (講談社現代新書) 伊佐 進一 中国の科学政策・研究現場の強みと弱み。それに日の科学界がどうつきあうべきか。恐れてばかりいるのではなく、日中国とお互い弱い部分を補完しあい、よきパートナーになれる可能性があると著者は主張する。 著者・伊佐進一氏は東大工学部を出て科学技術庁に入った後、ジョンズ・ホプキンス大大学院で中国研究をした後に自ら希望して中国大使館に3年間駐在した中国通。今は文科省で働くいわゆる官僚、官僚のなかにもこういう人がいるのだなと思いつつ読んだ。理論上の研究をした後に現場を見た方だけあって、臨場感に富んだ筆致で書かれている。現地での面白いエピソードもそこかしこに散りばめられていた。 「日中の協カプロジェクトを、より拡大していきましょう」という中国人に対して、何度、「日お金がないから……」と言ったかわからない。「政府が決断すれば、お金なんて後か

    中国の科学研究 はどうなっている? 日本はそれにどう向き合っていく? - 日々の記録
  • 思い出話 - 日々の記録

    大学に行ったのは新聞記者になるためだった。特に科学に関係する記事、社会面や生活面の記事を書きたかった。新聞じゃなくても雑誌記者とかそういう方面に行きたいなーと思っていた。新聞社の受験資格は、だいたい四大卒以上だから大学は行かないと。が、大学に行ったものの、入学後に色々あって自分が体力的に強くないと知り・・・具体的にいうと勉強厳しい学校+片道2時間半通学+終電までバイトを2ヶ月やったら1週間ダウンしたり徹夜すると必ず風邪ひいたり・・・で、新聞記者にはなるには厳しそうと悟った(ちょうどそんなことを考えていたときに新聞社で活躍していた親の友人が過労死したという背景もある)。 新聞に興味があるような人間だったのでもちろん出版にも興味があった。でも自分がいち消費者として見聞きしている情報から考えて、出版業界は商売的に危ういと思っていた。特にそのときの自分の視野に入るような一般向け雑誌は絶望的に見えた

    思い出話 - 日々の記録
  • PLoS ONE方式のオープンアクセス雑誌 - 日々の記録

    雨後のタケノコのように増えてきたオープンアクセスジャーナルのなかでも、「 ジャーナリズムはPLoS ONEがお好き? -朝日新聞編- - かたつむりは電子図書館の夢をみるか」にあるように"PLoS ONE"は「査読の方法が独特(方法と解釈が妥当なら載せる方針とか。ゆえに迅速)」で「掲載論文数がめちゃめちゃ多い」(2010年の出版論文数は約7000)ことで特殊な位置付けですが、今のところビジネス的にはうまくいってます(論文がたくさん集まっています)。その様子を見た他の出版社各社も、"PLoS ONE"のようなモデルのオープンアクセス誌の創刊準備を進めていますが、とうとうNature Publishing Group(NPG)もPLoS ONE方式のジャーナル"Scientific Reports"を創刊することになりました。 で、ちょっと良い機会なので目についたPLoS ONE方式のオープ

    PLoS ONE方式のオープンアクセス雑誌 - 日々の記録
    min2-fly
    min2-fly 2011/02/14
    "雨後のタケノコのように増えてきた"
  • 最近気になったSholarly Kitchen記事色々(2010年12月〜2011年1月) - 日々の記録

    はじめはScholarly Kitchen以外の色々なソースから集めようと思ったんですが、多すぎて収拾がつかなくなったのでひとまず。 Data-mining Google Books: Does the Reader Have To Be Human? « The Scholarly Kitchen 「著作権法には抵触しない、なぜならこのプロジェクトで取り込んだは、たとえ1センテンスであっても(人間が)読むことはできないから」というグーグルの主張について。 グーグルGoogle Booksでスキャンしたデータをもとに、1500年代〜今までの出版物に登場した単語をデータベース化。現在、このデータベースは誰でもダウンロードできるようになっている。サンプルとして簡単なサーチ画面も提供されている。たとえば「Micky Mouse」と「Samurai」のどちらが先に洋書の中で使われるようになった

    最近気になったSholarly Kitchen記事色々(2010年12月〜2011年1月) - 日々の記録
  • ブルネイの図書館に行ってきた - kany bookshelf

    ブルネイでも図書館に行ってきました。初めて海外旅行中に図書館に行ったのはフィンランドのヘルシンキ。ゆったりとしていて、近代的に整備されていて、とっても居心地の良い図書館だったんです。それ以来、旅行中に図書館や大学に足を運ぶ習慣(というとおおげさ?)がつきました。 というわけで、首都バンダルセリベガワンにある図書館のビル。 写真の左側に見える大きな絵、真ん中にがありその周りに人や動物が描かれています。知識礼讃! 1枚目の写真の右側に見えるのが、入り口です。 ブルネイの公用語はマレー語、また町中ではアラビア語もよく見かけました。図書館の入り口にあるボードにもアラビア語がありました・・・が、私はあいにくマレー語もアラビア語もできません。わかるのはだいたい毎日、開館時間が8:00-18:00ってことだけですw 中はこんな感じ。建物は3階建てで、1階が大人用フロア、3階が学生向けフロア。この2つは

  • 2010年11月 目についた出版関連記事 - 日々の記録

    自分が気になったところを書き出しておく。 科学出版関連:論文の山を越えて Global science: Climbing Mount Publishable | The Economist 中国人研究者による研究は、英語論文の引用数が目立って少ない。アメリカ人研究者だと平均14.3回引用するが、中国人研究者だと平均4.6回。この傾向はインド人研究者にも見られる。原因は中国の研究レベルがまだ高くないのか、それとも欧米や日の著者は互いを引用し合うという歴史的なバイアスがあるのかと考えられている。 中国の特許は2003年から2009年にかけて件数が26%増えた。が、中国の特許庁は特許を認可すればするほど収入が入るようになっているから、中国特許は数が増えても質が当てにならない。 2007年までのデータを見る限り、先進国各国が研究開発費を削るなか、日の科学研究費は対GDP比3.5%まで増えてい

    2010年11月 目についた出版関連記事 - 日々の記録
    min2-fly
    min2-fly 2010/11/21
    いつもながら有り難い。
  • 国際数学連合、ジャーナル出版に一言 - 日々の記録

    Best Current Practices for Journals (August 2010) (リンク先:PDF。直接開きたくない方はこちらから。) 簡潔ですぐに読めますが、論文出版に関わる人にとっては面白い文章と思います。8月に発表されたものなので既に知っている方も多いとは思いますが。導入部分の一説を抜粋します。 ジャーナルは数学研究・コミュニケーションにおいて最も重要な道具の一つであり続けている。よいジャーナルは次に挙げる働きにより、論文の価値を高める。 quality control: The peer-review process evaluates and aims, inasmuch as possible, to certify the correctness, importance, novelty, and clarity of a paper. improving

    国際数学連合、ジャーナル出版に一言 - 日々の記録
  • オープンアクセスの分類 - 日々の記録

    ご無沙汰してます。今週はオープンアクセスウィークですね。 ふと自分が理解しているオープンアクセスを図解してみようと思いたち、ノートにこんな図を描いてみました。 オープンアクセスいろいろ (論文の)オープンアクセス*1と一口に言ってもいろいろあります。自分が思いつくものをざっと書き出してみたところ、こんな感じになりました。(以下オープンアクセスをOAと記載) 出版社によるOA論文 マーケティングのためのフリーアクセス 最新号のプロモーション ノーベル賞等の記念プロモーション 途上国向けオープン化(リンク先は論文ではなくデータベースのOA) OA出版社によるOAジャーナル 通常出版社によるOAオプション 中小出版社等による半無意識なオープン状態(特にポリシーはないが結果的にOAになっているもの) リポジトリにアップされたOA論文 プレプリントサーバ(サブジェクトリポジトリ) 機関リポジトリ P

    min2-fly
    min2-fly 2010/10/21
    いいまとめ。いつか引用するかも
  • PLoSという出版社 - 日々の記録

    2ヶ月ほど前の記事ですが「PLoS’ Squandered Opportunity — Their Problems with the Path of Least Resistance « The Scholarly Kitchen」が示唆深く、面白い記事でした。原文はかなり長文なので、抜粋と自分の覚書レベルの適当翻訳をつけて紹介します。正しく・詳しくは原文をご参照ください。*1 PLoSってなに? オープンアクセスでの出版をメインに手がける出版社はいくつかありますが、PLoSとBioMed Central(BMC)はとりわけ初期から活発な動きを見せていた会社です。(最近だとSAGEと提携しているHindawi Publishing Corporationも結構知られている・・・かな?) PLoSはアメリカに、BMCはイギリスに社があります。アメリカは国自体も政府助成金も巨大ですし、OA

    PLoSという出版社 - 日々の記録
    min2-fly
    min2-fly 2010/07/08
    コメントした. 元エントリ中で批判されているのはP.Davisによる研究ではなく、P.Davisが一エントリ立てて派手に批判した研究にさらにAndersonも追い撃ちかけているのでは、とか。
  • 学術論文が出版されるまで - 日々の記録

    北大の生物系研究室のブログにて、研究者・論文を書く立場から見た、論文の作成〜acceptまでの流れが紹介されていました。 福井 学の低温研便り: 学術雑誌掲載論文ができあがるまで 自分も出版側の目線で「学術雑誌掲載論文ができあがるまで」を書こうと思いつつぐずぐずしていたので、良いきっかけをいただいた気分。 というわけで、今日は学術論文が出版までどういうふうに流れていくか、出版社の一末端社員の視点から書いてみます。といっても自分はまだ勉強中の身なので不足点もあるかと思いますし、雑誌や出版社によっても違う点は多いと思います。また自分の所属先とは関係なく、自分の勉強のために書いていることをお断りさせていただきます。 論文の流れ いわゆる国際英文雑誌に論文が載るまでの流れは、こんな感じになっています。 著者による論文投稿 編者による門前払いか否か判定 編者による査読者探し 査読者決定 査読者による

    学術論文が出版されるまで - 日々の記録
  • 電子書籍がいずれ表舞台を奪うだろう。でも今のところ出版社が出る幕も残ってはいる - 日々の記録

    オリジナル 「Scholarly Kitchen ブログタイトル追っかけプロジェクト その11」の前座として、5月14日のScholarly Kitchen記事「E-Readers Will Take Centerstage If Prices Drop, Yet Publishers Still Have Two Left Feet」を全文訳します*1。 全文訳 ボストン・コンサルティンググループによる調査「Goodnight, Gutenberg」によると、消費者は電子書籍を認知していて、多目的電子書籍デバイスに興味を持っている。そしてこれから3年以内に1台のデバイスを購入しようと考えているが、まず200米ドル以内に値段が落ちてほしいと考えている。(13000人の回答者のうち、49%がこれから3年以内にデバイスを購入しようと考えているという結果である。) 調査結果「Goodnight,

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  • Scholarly Kitchen ブログタイトル追っかけプロジェクト その10 - 日々の記録

    更新しないまま月日がどんどん流れてしまうので、ひとまず「追っかけ」ます。 STM協会春季大会:出版社は耳を澄ましているか?(4月29日) original "STM Association Spring Conference: Are Publishers Listening?" by Ann Michael http://scholarlykitchen.sspnet.org/2010/04/29/stm-association-spring-conference-are-publishers-listening/ 出版社は著者を失うリスクにさらされている;電子書籍市場の成熟を待つと裏目に出るかもしれないわけ(4月29日) original "Publishers Risk Losing to Authors: Why the E-Book Waiting Game Will Backf

    Scholarly Kitchen ブログタイトル追っかけプロジェクト その10 - 日々の記録
  • 何故科学出版はまだ崩壊していないのか? - 日々の記録

    今年はじめに読んで以来、あまりの面白さにこっそり興奮していたScholarly Kitchenの「Why Hasn't Scientific Publishing Been Disrupted Already?」という記事を取り上げます。 http://scholarlykitchen.sspnet.org/2010/01/04/why-hasnt-scientific-publishing-been-disrupted-already/ オリジナルは2010年1月4日にアップされ、del.icio.usで日現在143件ブックマークされています。また最近、欧米系の同業者が「これは読んだほうがいいよ」とプレゼンで触れていました。やっぱり独り占めにするにはもったいない、興味や関心の近い人にも読んでもらいたいので、拙訳ながら、ざざっと超訳&紹介します。きちんとした日語訳ではなく、あくまで私が

    何故科学出版はまだ崩壊していないのか? - 日々の記録
  • 科学研究をすること vs 科学活動について話すこと - 日々の記録

    2月8日のScholarly Kitchen記事「サイエンスとWeb 2.0:科学研究をすることvs 科学活動について話すこと」が面白かったので、自分が関心を持ったところを抜き出しておきます。 原文からの抜出し・ざざっと翻訳 Nearly all of the more visible attempts so far have focused on talking about science, rather than tools for actually doing science. 今までなされているほとんどのことは、科学そのものについて取り組むよりも、科学について話すことに重点が置かれていた。 Tools like blogging can be effective and useful, but they’re for talking about science, and that’

    科学研究をすること vs 科学活動について話すこと - 日々の記録
  • 「研究者のお手伝い」をし続けるために(考えごと) - 日々の記録

    すっかり放置してしまいましたが、シンガポールに移動しました。 今の仕事は、前と同じ学術出版職ですが、前とちょっと立ち位置が違います。細かいことはここでは触れませんが、ちょっと見る角度が変わって、色々考えました。今日はその記録。 私は研究者や科学者や変な人が好きで、学術出版の世界が気に入っています。前の職場もそういう人が多めでした。ところ変わって、今の職場には科学や研究の世界に興味が薄い人も多く働いています。「好き」ではなくても働ける仕事として整備され、産業として成り立っていることを実感します。 またビジネスとしてまわるように仕組みが作り上げられていることを、私は前職のおかげで知っています。この産業がいつまで持続くのかは懐疑論もありますが、持続できるように頭をひねっている人は各所にたくさんいますから、今しばらくはたぶん続くのでしょう。 ラディカルな言い方をしてしまうと、研究者が真実の探求をす

    「研究者のお手伝い」をし続けるために(考えごと) - 日々の記録
  • シンガポールに移動します - 日々の記録

    英国の経済誌The Economistのwebsiteに、世界中を移動する人の流れをレポートする動画がありました。自分もこの流れの1つになってみます。具体的には来年からシンガポールで働いてきます。 Multimedia library | The Economist なぜシンガポールかというと、 自分が働きたい学術出版の仕事があるから 旦那さんの行きたい教育機関があるから なんとなく、暮らしたいと思えたから このブログをどうしようかなーと考えましたが、引き続き日語で書きます。電子書籍、Scholarly Communication、面白い記事の紹介等々、きもちかための話題を気まぐれに書くと思います*1。 ちなみに最近、このブログのはてなスター表示をなくしたので、何かあれば一言でもコメントいただけると嬉しいです。 当は涼しい気候のほうが好きなので、メルボルンにでも住めれば良いのですけどね

    シンガポールに移動します - 日々の記録
  • オープンアクセスってなに? - 日々の記録

    オープンアクセスとは、学者さん(研究者)の書く論文を扱う業界、いわゆる学術出版業界で最近騒がれている単語です。オープンソースと似ているけれど、扱ってるものはあくまで研究者によって書かれた「論文」や「研究成果」です。 オープンアクセスの定義 Budapest Open Access Initiative(BOAI)という2001年に開かれた図書館関係者会議で「オープンアクセスとはなんぞや」という声明が出され、それが主流になっています。 「なんぞや」の部分を抜き出してみます。 By "open access" to this literature, we mean its free availability on the public internet, permitting any users to read, download, copy, distribute, print, searc

    オープンアクセスってなに? - 日々の記録
  • オープンソースとオープンアクセス - 日々の記録

    オープンアクセスとオープンソースを融合させたPublic Knowledge Project - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載 2年前の記事だけど、あまり古びていないと思う。興味深く読んだ。 Public Knowledge Project(PKP)は、テクノロジにおける2つの思想的トレンド ― 言わずと知れたフリーおよびオープンソースソフトウェア運動と、学術研究成果への無料オンラインアクセスの提供を目指すオープンアクセス運動 ― を融合したものである。その目的の達成に必要なソフトウェアツール群と支持活動とを結び付けることで、創設後9年で同プロジェクトはオンライン学術出版業界の一大勢力へと発展した。 文と直接は関係ないけど、オープンソースソフトウェアが栄えてもコマーシャルソフトウェアがなくならないのと同様に、オープンアクセスジャーナルが栄え

    オープンソースとオープンアクセス - 日々の記録
  • 国会図書館の書籍、ネット有料公開へ? - 日々の記録

    各種報道 今日のasahi.comにこんな記事が載っていました。 朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか? また8月17日に行われた「ACADEMIC RESOURCE GUIDE(id:arg)」によるイベント「この先にあるのかたち−我々が描くの未来のビジョンとスキーム」で長尾館長が語った構想が、CNETのイベントレポートタイトルに使われていました。 国会図書館、書籍をネット配信へ--利用料は1冊数百円程度に - CNET Japan いっぽう、今月初めにも日経新聞に「国会図書館、有料ネット配信 400万冊対象、11年にも」という記事が掲載されていました。 国会図書館、有料ネット配信 400万冊対象、11年にも(NIKKEI NET) しかしこの日経新聞の報道に対しては、国会図書館自らが、その一部を否定する声明を出しています。 国立国会図書館、有償デジタル書籍配信事