本文書は、Cyber Security Management誌に寄稿した記事の原稿を、CSM編集部殿の許可を得た上で掲載したものです。 ソフトウェアのセキュリティホールというと、まず最初に思い浮かぶのがバッファ・オーバーフローではないだろうか。バッファ・オーバーフローは、報告される件数も多く、また重大なセキュリティ侵害を引き起こす可能性が高いため、セキュリティホールの中でも非常に重要な位置を占めている。 多発するバッファ・オーバーフロー問題 今年の4月下旬、Sasserという名前のワームが出現し、多くのWindowsコンピュータに感染したことは記憶に新しい。SasserワームはWindowsのLSASS(Local Security Authority Subsystem Service)に存在するセキュリティホール(脆弱性)[1]を利用して感染するように作られていたが、このLSASSの脆