C++ Advent Calendar 2022 の 3 日目の記事 を読んだのですが、C++の規格を作っている人の中にモナドが好きな人がいるようで、仕様書の中にモナド的などという単語を必要もないのに入れようしているようです。それでモナドに興味を持った人もいるかと思って記事を書いてみることにしました。巷にモナドの説明自体はいっぱいあるんですが、Haskellを使って説明するものばかりで読みにくいですし、なんだか要領を得ないものが多いので、C++で説明する需要はあるだろうと思っています。ただし、C++でモナドを作っても意味がないよという否定的な意見を書きますので、そういうのがお好みでない方は許してください。 シンタックスシュガーがないのに、モナドを作るんですか? とりあえず説明のために簡単なIOモナドっぽいのものを書いてみます。まず、文字列を表示する動作を次のように書けるようにします。これは