(英エコノミスト誌 2010年7月31日号) マイクロソフトとインテルの別離とともに、コンピューティングは多極化していく。 マイクロソフトとインテルは、情報技術(IT)の世界のマクベスだった。権力を握り、それを、ひどく貪欲なやり口で乱用した悪徳夫婦である。 少なくともマイクロソフトとインテルを批判する向きは、「独占的な利益とライバルの死を愛する欲望」なるものを引き合いに出して、そう語っていた。 だが近年、物語は変化している。マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏は引退して巨額の資金を寄付している。「ウィンテル」夫妻(マイクロソフトの旗艦OS「Windows(ウィンドウズ)」と「インテル」の省略形)は次第に過去の専制君主と見られるようになった。 今では、マイクロソフトの現CEO(最高経営責任者)であるスティーブ・バルマー氏を追い落とそうとするクーデターの噂が絶えない。 だが、こうした古いテクノ