日本財団(東京都)は1日、児童養護施設で暮らした子どもたちを対象に、返済不要の奨学金制度「夢の奨学金」を新設することを決めた。1人当たり年間250万円を上限として給付する。経済的理由で進学を断念する子どもを減らしたいという。 この制度は、年間124万円の授業料と、月額10万5千円の生活・住宅費を上限に給付する。応募資格は、「自立をするために具体的な計画と熱意があること」。年齢は問わず、書類選考と面接で選ぶ。2016年度から試験的に愛知、岐阜、三重の3県で20人を募集。17年度から5年間で、全国100人規模への給付を検討している。高校や専門学校への進学、職人志望者も対象だ。 厚生労働省の調査では、施設出身者の大学・専門学校への進学率は23%で、全国平均77%を大きく下回る。児童養護施設や里親家庭で暮らす子どもは約3万3千人(14年10月)。養育は原則18歳になるまでで、その後の支援が課題とい