世紀のスター、マイケルジャクソンがこの世を去って10年が経った。 世界中から愛されたがゆえに、興味本位のゴシップの的にもなった彼をもっとも苦しめたスキャンダルは、93年に勃発した「少年への性的虐待疑惑」だろう。2人の少年の親からそれぞれ訴えられ、1度目は莫大な和解金を払って示談に、2度目は刑事裁判の末、無罪となった。 彼の没後10年になる今年、サンダンス映画祭で公開され、アメリカのケーブルテレビ局HBOでも放映された「Leaving Neverland」。このドキュメンタリー映画は、マイケル亡き後に、彼から性被害を受けていたと証言した2人の男性とその家族を追った作品だ。本作はアメリカでも物議を醸し、マイケルの遺産管理団体は作品の放映に抗議して裁判を起こしている。 『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(新潮文庫)や『プリンス論』(新潮新書)など、アメリカのポップスターに関する著作を数多